2016年7月23日

農ある暮らしを訪ねる旅(11)京の隠れ里で天然素材の服作り

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いなかの手仕事や素敵な暮らしを訪ねる旅のシリーズその11。
京都の秘境、福知山市にある大江山麓の集落で天然素材の服作りに取り組むご夫婦のプロジェクト「meoto」さんを訪ねてきました。


素敵なお庭のある田舎の古民家に住みたい。
そばには小川が流れていて、ハーブを植えたり、染め物をしたり、手仕事をしたり・・・
そこには、絵に描いたような暮らしが広がっていました。


京都市内から縦貫道で約2時間。福知山市天座(amaza)集落は、大江山のふもとにある山間の集落にあります。

携帯の電波が通じないその隠れ里の住民は3世帯。あとは空家なのだそうです。

「農業がしたかったらいくらでも土地はあるよ。」

編集や執筆の仕事をしながら農業をしているというおじさんが、集落を案内してくれました。

放棄された棚田、電気柵を物ともしない鹿との戦い、ここで暮らしていける住民は、地元で通える公務員か教師ばかり。話をお聞きしていると、どこにでもある田舎の現状でした。




Whole Living Base


そんな中、meotoてっちゃん、みやちゃん夫妻がはじめたのはオーガニックな暮らしを営むコミュニティづくり。
てっちゃんが天然染料で布を染め、みやちゃんが服をつくる。藍を育てて染料をつくるひとがいて、食べ物をつくる人がいて、服をつくる人がいる。コンセプトは地域のひとたちやつながりを大事にした"Whole Living Base"。素材からてづくりしたたべものがあり、着るものがあり、素敵な古民家がある。

この週末は、そんな暮らしのExhibition&cafeがあり、人里離れた集落に、続々とひとがあつまっていました。



私を含め、Indigo Farm Stayという3日間のワークステイで来ているひとたち。
ビジターで1日のみ滞在している親子。
そして、なにより、いいなあと思ったのは、新聞をみて様子を見に来たよ」と、地元のお年寄りがわらわらと集まっていたのです。

小さな子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで、笑顔になる暮らしがありました。

ランチバイキング



「おっ、ちーちゃん、いまちょうど話してたんだよ!」
あれ?会ったことあったっけ?
おうちに入った瞬間、ある種のノスタルジアというか、長らくあってない古い友人に再会したかのような感じがしました。
だれがお手伝いの人でだれがお客さんなのかわからなくなる。
だれもがここでは友人であり、お客さんであり、お手伝いであり、その境目がない。自然でいられる場所。


ランチに来られたお客さんの波が落ち着くと、
藍の葉積みと泥藍づくり。

藍の畑

藍は発酵の文化

藍Indigoの文化はエジプト、インド、シルクロード、アフリカと世界中でみられます。
でも、英語のインディゴは、インドが語源のようです。ヘナもその一種。

日本の藍色は、明治時代に来日したアトキンソンにより、「ジャパン・ブルー」として紹介され、海外でも知られるようになりました。

タデ科 藍 Persicaria tinctoria

藍の主な産地である徳島では、かつては川べりで麦と輪作されていたようです。
ちょうど麦を刈り取ってから藍が大きく育ち、真夏に藍の葉を刈り取る。

染料をつくるのも夏の作業で、とても大変な作業にちがいありません。


インディゴの成分は不溶性で水に溶けないので、生葉のままでは薄い水色になっても、紺色にはなりません。
いくつか抽出する方法があるのですが、ヨーロッパではなんと、腐った尿につけていたのだそう!!ところかわれば、何を持ってアルカリ化するか、インディゴ成分を抽出するか、民俗の工夫がみられておもしろいです。

①泥藍、沈殿藍
いまでも中国、琉球で行われている方法。還元状態にして、アルカリ化すると、インディゴの成分が溶け出して、底に沈殿します。
その泥をつかって染めるか、もしくは、そのまま乾燥させて、ブロックにして、保存することもできるようです。

②発酵
もう一つの方法は、藍をふすま(麦の糠)や木灰とまぜて、半年発酵させスクモを作る方法。微生物の活動を活発にするために、日本酒をたすこともあるのだそう。
これは、一定量ないと熱を保つのが難しいので、小規模でやりたいときは沈殿藍がよいかもしれません。(ただ、麹も少量でできないと言われてたけど、1kgからでもできたので、もしかしたらやる気になればできるのかもしれません。)

ちなみに、スクモはこちらでも買えます:田中直染料店

スクモと藍

藍玉(スクモをついたもの)

染料ハンティング

藍染めには沈殿藍を作ってからさらに藍建ての必要があり、3日〜1週間かかるとのこと。今回の作業は、収穫と仕込みまで。

1日で染まる染料をさがしにいきます。

ヤマモモ、アカネ、ゲンノショウコ、キハダ、ビワ、ヨモギ、クズ、染料植物をみていると、いかにも薬用植物のようです。

こんかい、ハンティングしたのは、水辺にはえるというイラクサ科の「アカソ」。タニミズナにもよくにた雑草です。

季節によってとれる植物が違うけれど、同じ植物で染めたとしても、採るシーズンによって、発色がかわってくるようなのです。奥が深いです。

川べりに生えやすい

こんな植物です

繊維によっても染まり具合が違います。

同じ染料でこれだけバリエーションがでました。

川での作業


Indigo Farm Stayは9月の連休中にも計画されているようです。

どんな場所かって、言葉では伝えにくくて、つたないながら、動画にしてみました。


イベントについての詳細はこちらへ。
Whole Living Base Meoto
http://tema-hima-umami.com/




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