2014年5月3日

宇治茶ができるまで

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宇治茶を研究する茶業研究所の見学に行ってきました。


前回記事:農ある暮らしを訪ねる旅(2)宇治茶の里を訪ねて・・・


お茶の種類は、紅茶の発酵茶と、緑茶の不発酵茶に大きくわかれます。
緑茶には、太陽の光をヨシズで覆って、まろやかな味にする「覆下栽培」と、覆いをしない「露天栽培」があります。

覆下栽培の特徴
①緑が濃くなる、②葉が大きく広がる、③葉が薄くなる、④香り、味が濃くなる

左:覆下栽培、右:露天栽培
左が3日間覆いをしておいた列だそうです。葉の大きさまではまだわかりませんが、葉の色は明らかに濃くなっていました。

覆下は、河川敷など、平地の開けたところに多く、露天栽培は、斜面のきつい山の中に多い。
碾茶ができる土地は、お殿様が持っていた荘園を中心に広まり、栽培できる土地が決まっていたのでした。

庶民にも手が届くようになったのは、江戸中期に煎茶法が伝わってからでした。
宇治田原の永谷宗円(お茶漬けの永谷円は親族が立ち上げたのだとか)が製法を伝えたと言われ、生家が保存されています。

玉露はさらに遅れて江戸末期にでてくる最高級茶。宇治、京田辺を中心に作られています。

覆下栽培

お茶の種類

覆下栽培

(1)てん茶:レンガのオーブンで乾燥させて、乾いた葉を細かく切って納品。茎は問屋さんがとりのぞく。揉まない(1時間)。葉が薄い品種がいい。(あさひ)
碾茶(てん茶)

(2)抹茶:てん茶を石臼で挽いて、粉にしたもの

(3)玉露:蒸したあと、揉む工程がある(4時間)茶葉は、細長くなる。茎は細く、薄いと砕けるので、厚みがある品種がよい。(ごこう)

茶問屋さんに納品する状態。さらに、最終調整をかける
露天栽培

(4)煎茶:玉露と煎茶は工程は同じ。栽培のときに、覆うか、覆わないか。長い間一定収穫が続くやぶきたが一般的。

お茶の品種の見分け方

あさひは、はっぱが丸くて大きいので、見分けがつきやすい。碾茶むき。
さみどりは、煎茶、玉露、碾茶と、どれにでも対応できるオールマイティーな中生タイプ。
鳳春は、はっぱが小さくて、葉が厚い。早生。玉露むき
展茗は、はっぱが大きい、機械刈り向きの品種。



手もみするときは、炭を炊いて、
上に鉄板を敷きます。



鉄板の上には、茶葉が痛まないように、和紙が貼ってあり、さらに柿渋が塗られています。
けっこうおしゃれな台です。

この作業に約4時間・・・


板ずり

乾燥

最終的には、茶問屋さんの方で、最後の仕上げをし、松葉のように細長くなります。

玉露できあがり



そして、お茶の道具も、昔ながらのものを使うことがとっても理にかなっていて大事なことだと教えてもらいました。

竹で編まれたふるい。
やっぱり竹でないと、金網の篩ではよいお茶ができないとか。
品評会に出すようなお茶は、必ず竹。

1号~10号まであって、たとえば、これは6号だが、1寸に竹網が6本入る目の大きさだということ。
碾茶なら横にふるい、玉露なら、縦にふるって落とす。





はりぼての「ぼて」だそうです。




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