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2023年7月16日

豚の熟鮓、魚卵の漬物、野草麹の酒?!台湾原住民の植物と発酵の知識がものすごい!

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ときどき同行者を募集してますアジア民族の自然と共に生きる知恵を学ぶ旅。今回は、台湾のアミ族の村を訪ねてきました。

台湾からは、屏東科学大学の先生や学生、日本からは、糀屋さんのスタッフと一緒に参加。原住民の食品や植物の研究者と一緒に旅していたので、使う植物と発酵菌の知恵について、現代科学の観点からも独自の考察が繰り広げられ、議論がめちゃくちゃおもしろかったのです!

今回、とっても感動したのが、アミ族の野草の知恵と食文化の豊かさ。
これまでも、屏東科学大学の先生方にご案内いただき、タイヤル族やルカイ族の村でもインタビューしてきましたが、アミ族は特にすごい楽しいんです!!ちょっとその面白さを解説したいと思います。


🌿原住民のどぶろくは養命酒だった

麹作りに12種類の植物を使います。
それぞれに健康食品としての効能や香り、殺菌、保存性のある植物たちです。

チンキとして 薬草をお酒に漬け込む「薬酒」とは違って、お酒 そのもの作る発酵の過程で植物が使われているのです。つまり、原住民のどぶろくは、穀物の発酵とともに、植物も一緒に発酵させ、薬膳的効能を取り入れる養命酒だったのです。

8月終わりの土日に長野で発酵合宿を予定しています。原住民がなぜその12種類を選んだのか、考察しながら、日本の野草でアレンジしてみようと思います。作りたい人はぜひご一緒しましょう!

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ワークショップで作った後、台湾中を旅しながら培養した草麹

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🌿発酵食品パラダイス!豚の熟鮓の内臓の塩辛、魚卵の漬物、発酵づくしの食卓

豚の熟鮓や、養命酒のようなどぶろく、漬物、コーレグース、めんま、発酵魚卵(魚の卵の発酵食)などなど、海の幸と山の幸の発酵食オンパレードです。

平安時代に書かれた延喜式では、味噌や醤油は穀物を発酵させたいわゆる「穀醤」ですが、魚を発酵させる「魚醤」、そして肉の発酵食は「肉醤」とよばれてます。日本では肉醤は、食文化として根付いてきませんでしたが、肉醤の原型が原住民の村に生きてるんですよ!

原住民の肉醤には2種類あって、鮒ずしのようにご飯を使うものと、塩漬け。習えるとこも発見。捕れたてイノシシでないとだめだそうで、また作りに行きたいな。


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🌿植物の知識まじやばい!100種類の野草が並ぶ食卓

12種類の植物で醸すお酒に見るように、植物を見分け、探す力がハンパない!お料理も野草盛りだくさんでエスニック感満載です。

「野菜主義(「野菜」は中国語で野草のこと)」の作者である呉雪月さんによると、アミ族が認識している野草は200種類に上り、うち、食卓に並ぶ野草で100種類あるとか!

呉雪月さんが校長先生をされている「原住民野菜学校」が花蓮の駅から徒歩15分のところにあるので訪問してきました。70元でだれでもお庭を案内してもらえます(ただし中国語できない方は、植物に詳しい通訳いれたほうがいいかも)。めっちゃたのしいのでぜひ!

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原住民の野草学校にて
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酒麹をおこすための代表的な植物たち

🌿ワイルドに食べる焼き石をじゅわーーーっと!ビンロウの器に注ぐ焼き石火鍋

ビンロウの葉っぱの器、野草ちまき、そして、あつあつに熱した石をおもむろにスープの器に入れ、じゅわーっと石焼汁に。
魚毒とよばれる魚を失神させる植物を使ったり、竹で編んだ網を川底にしかけたり。

アミ族は、海側と山側の両方に集落があり、海の知恵と山の知恵、両方あるのもいい!アミ族のレストランにいくと、ちょっとワイルドな原住民料理がたのしめますよ✨

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ビンロウの葉っぱに入った石焼き火鍋



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また10月に行こうと思います。
というか、しばらく野草留学しようかと計画中〜。

ヒマラヤや雲南の民に会いに行くのは、ちょっと移動が大変だけど、台湾へは片道3時間。LCCが再開しているので、はやめにとれば片道1万2000円。東京〜大阪への移動と変わらないくらいでたどり着けます。

また同行者募集する予定なので、よかったらご一緒しましょう。

(オンラインサロンの会員向けに募集予定)

タイ薬草留学の記事はこちら。


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月替わりで開催しています民族植物実験室、今月は、台湾原住民の村で習ってきた料理を作ろうと思います。石焼き芋用の石が届いたので、さっそくじゅわーーっと、石焼き海鮮します〜。

台湾から持ち帰った原住民のハーブや発酵食材も登場しますよー!おたのしみにー!

〈今月のメニュー例〉
🌿タロコ族 粟の野草粥
🌿阿美族 豚の熟れ寿司炒め
🌿阿美族 石焼き海鮮火鍋
🌿パイワン族 粟の豚粽
🌿阿美族 どぶろく(草麹)
🌿阿美族 コーレグースとライムの海藻サラダ

何気に書いてるけど、これ、日本じゃ手に入らない発酵食もりもりです。
それがなくても作れる方法もご紹介しますね〜!

台湾原住民の生活文化や手仕事、民族植物の知恵に興味ある方、発酵民族学が好きな方とお話しできるのを楽しみにしてます!


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2023年2月23日

タイの伝統医術ヤム・カーン(炎のセラピー)とヤム・ヤー(グリルベッド)

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 タイでは民間の伝統医術師のことを「モー・ムアン」と言います。

仏教が入る前の精霊信仰と結びついていたり、呪術的な儀礼や祈りに合わせて、ハーバルボールやトークセン(木槌のマッサージの体験記事はこちら)といった施術もまざりあう。
これらの医術は、祖先から子孫へと口伝で伝えられ、なかなかテキスト化されていない場合がおおいのです。そんな貴重な伝統医術を体験してきました。

薬草温熱ベッド(通称グリルベッド)ヤムヤー

ヤムヤーは、伝統的なタイのハーブスチームセラピー。竹のベッドの上に、いろんな薬草を置き、下に炭火をおいて、燻し蒸しにするという。もうね、燻された薬草の匂いに包まれ、まじでBBQされてる気分になるのですよ。通称「グリルベッド」。うん、納得。

薬草は熱い蒸気とともに経皮から血流に浸透し、全身を包みます。使用する薬草は、地域や目的によっても異なりますが、抗菌、抗炎症、解毒作用のある薬用植物が使われます。痛みの緩和、ストレスの軽減、血行促進、免疫強化などの効果が知られています。

主に産後ケアに使われる療法ですが、生理痛や生理不順、感染症など、女性特有の問題を緩和するためにも使われています。最近では男性もリラックスしたい時や、仕事の疲れをとりたい時に受けるようです。

薬草ベッドの準備をしてると、いつもの猫ちゃんが遊びにくる。好奇心旺盛でとりあえず齧ったり、薬草ベッドに寝転がってみたり。先生に叩き出されてるところがまたかわいい^^

誰も止めてくれなくて、なんかみんな3時間くらい寝てました。じっくり炭火で薬草グリル!これめっちゃいい。さっそくこれ、日本に帰ったら竹のベッドつくろう〜〜!!

まず、ひたすら薬草採集。猫もお手伝いしてれる。

竹のベッドに薬草を敷き詰める。

下に七輪を置き、炭火焼きに

炎の伝統医術ヤムカン

ヤムカンは、タイ北部のランナー地方で何世代にもわたって行われてきた薬草療法。炎に包まれた足で、オイルマッサージするというパフォーマンス性もたっぷりで、スパやリゾートでも受けられたりするようです。

人民服に似た衣装に、龍の杖。
え、魔術師がきたよ。
と思いました。

まず、龍の杖で祈りを捧げるところからスタート。
伝統医術「モー・ムアン」が民間信仰と結びついてるところが垣間見れる瞬間でした。

木製の杖でバランスを取りながら、片足をハーブ入りのオイルに浸します。症状によって、使用するハーブは異なります。今回使ったのは、タイ生姜のプライとエゴマの2種類だそう。

炎に包まれた足ファイヤーー!!ってされた瞬間、じゅわーーっ!て言って、一瞬だけどまるで火炙りの術。電気マッサージ器に似た感じかもしれません。

じゅわーっと全身炎のマッサージした後は、ハーブボールを瓦で焼き、それでまたマッサージされる。最後はトクセンで仕上げ。3つの施術が組み合わせられているのでした。



それにしても、ユーファイにしても、ヤム・カーンにしても、ヤン・ヤーにしても、北タイには炎の医術が多いんです。常夏の国だと思っていたけど、やはり温めることが大事なんですね。
(タイ人にきくと、いや、タイも冬は寒いんだから!と言われます。「寒い」の基準が違うようですが・・^^;)

日本でもやっぱり夏冷えしますが、夏の冷えを甘くみてはいけないな、というのが、冬のタイに来て教訓になりました。

2023年2月19日

タイ式子宮マッサージと木槌セラピーを体験してきました

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 薬草留学10日が経ちました。留学中に、タイ医学についてまとめようと思いつつ、毎日盛りだくさんの日課で忙しく、インプット>>>>アウトプット状態になってます。なんとか、消化もしていきたいので、記録を少しづつつけていこうと思います。

Womb Lifting Massage 子宮マッサージについて

タイには、「ユーファイ(火のそばで)」という産後ケアの習慣があり、出産後は10日ほど温熱セラピーを受けながら何もせずに横たわるのだそう。タイは暖かい国だけど、内臓の冷えは外気温とは関係ないそうで、やはり体を温めることを重視されているのですね。

同じような考えが中華圏にもあり、「座月子(ツオユエズ)」といって、1ヶ月間、産後ケア施設に入るのが習わし。経験者に聞くと、産後は血が入れ替わるので、体温が左と右で違い、同じになるまで寝るのだそうです。

womb liftingというのがどのようなマッサージかというと、中国語では「子宮按摩(ズーゴンアンモー)」と呼ばれていて、簡単にいうと、その名の通り、子宮をマッサージするセラピー。

まず、粗塩と樟脳、植物の入った陶器を炭火でバチバチあたためる。そして、ウコンやプライ(タイ生姜の一種)、樟脳、菖蒲、エトリンゲラ、ヘンヨウボクなどのフレッシュハーブを刻んだり潰したりしながらガーゼに包みます。

このクレイポットを常に温めておかないといけないので、一人火の番をしている人がいて、一人の施術に2名付き、ポット3つ使う。そして、1回の施術が3時間ほど。結構大掛かりな体制だけど、産後これが、10日間つづくってすごくないですか?

womb liftingは、産後ケアだけでなく、子宮や卵巣まわりの婦人病や、姿勢の悪さからくる内臓のズレ、にも対応されるようです。私の場合、多分完全にこれで、内臓に歪みがあるのかもしれません。胃腸周りの内蔵と筋肉、筋をほぐすようにマッサージされるのですが、腹筋あたりの筋肉を鷲掴みにするようなかんじで、差し込まれる。「内臓のゆがみをなおして、正しい位置にもってくる」というのが目的だそうで、これがめちゃめちゃ痛かった。きつい筋肉痛のようになって、歩くのも振動で痛かった。

他の人に聞いてみたけど、痛いの私だけだったみたいで、歪んでなければそんなに痛くないのかも・・・?お腹以外は痛いところはなく、ハーバルな香りに包まれたポットのマッサージは心地よかったです。

木槌マッサージ toksenのこと

タイ医学にも、気脈やツボのようなものが全身つながっていて、詰まってるところを木槌でカンカン叩いてほぐすというもの。これがとっても不思議だったので体験談を少し。

これが子宮マッサージの翌日だったので、え。まじで?また今日もマッサージなの?と思いました。正直。toksenの達人が住む村にいけるめったにない機会とのことで、ついていくことに。

お腹は触ってくれるな、とひたすらガードしてたら、背中を中心にカンカン叩かれました。不思議なことに、施術されてる側も詰まってる場所がわかるんです。何度も叩かれた場所が、ちょうど、痛かった腹筋の裏。コリコリした感触があって、「あ、詰まってるな」、とおもったら即座にそれが術師に伝わる感じがある。マッサージオイルを使って揉み解され、またカンカン叩いて・・・ってのを繰り返すと、ほぐれていくのがわかる。そんなこんなで背中が他の人より長かったと思うのだけど、不思議とおわったら腹筋痛も消えてました。

それ以外の場所というと、ルーシーダットンの時に痛かった場所は、やっぱり何度も叩かれる。もしかすると、ルーシーダットンと同時にtoksenの施術設けると、相乗効果あるんじゃなかろうかと思いました。

タイハーブについてもちょっとづつ書いていこうと思います。毎日が植物まみれなタイ生活は続く。

2021年10月16日

発酵する東アジア〜台湾の発酵とキムジャン〜

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 奈良県にある里山文庫にて、ヤスダ屋と里山文庫がそれぞれの食のフィールドワークて学んだ東アジアの発酵をみなさまと一緒に作りながらご案内します。

今回は唐辛子と豆を使った発酵を軸にお隣韓国の冬の一大イベント1年分の白菜キムチを漬け込む『キムジャン』やカクテキ仕込みなどを通して韓国と日本の似て非なる食文化や発酵のお話や、まえだちさとによる台湾の豆の発酵やそのバリエーション。

そしてその活用方法まで、レシピだけでなくそれを取り巻く人々の暮らしを学びながら薬草に囲まれた里山文庫で3日間過ごしていきます。

手を動かした後のお楽しみは毎日のご飯、お伝えした調味料で色々なお料理を作って食べます。

盛りだくさんの3日間とても楽しくなること間違いなしです。
皆様のご参加をお待ちしております。
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🌶 日程 
2021年12月17日(金)〜12月19日(日) 10:00~15:00

🌶 
内容
【1日目 】10:00~15:00

・豆腐ようのお話と仕込み
・豆腐よう食べ比べ
・キムジャンのお話と白菜の下漬け
・納豆の話とチョングッチャン仕込み
・お昼ご飯 
【

2日目】10:00~15:00

・豆豉のお話と仕込み
・パイナップル味噌の使い方アレンジ
・薬念のお話とキムチ薬念作り
・カクテキ作り
・お昼ご飯
【3日目】10:00~15:00
・豆腐よう仕込み
・キムチ本漬け
※内容は、その時期に手に入る食材によって変更の可能性があります。

🌶 ヤスダ屋の発酵(韓国)
韓国の冬を迎える行事の一つキムジャンを下漬から本漬けまでそれぞれの工程の意味を
お伝えしつつ一人一株分を仕込んでいきます。
白菜を干したり、下漬をしている間に韓国の納豆味噌チョングッチャンをしこんだり、お話だけではなく実際に作って行きます。

🌶 里山文庫の発酵(台湾)
豆腐ようや豆豉、パイナップル味噌など台湾ならではの発酵食の仕込み方や食べ比べをしながら実際に一緒に仕込んでみましょう。ランチとして、これらの発酵食を使ったアレンジレシピもお伝えします。

🌶 参加費: 38000円
含まれるもの
・テキスト
・レシピ
・各日ランチ
・お土産
(仕込んだキムチ、豆豉、豆腐ようなどお持ち帰りいただけます)
※宿泊が必要な方は各自手配お願いします
(近くでオススメの宿泊施設をご紹介します)

🌶 定員: 4名〜8名まで
(最少催行人数4名に満たない場合は
 キャンセルまたは延期の可能性があります)

🌶 会場:里山文庫(奈良県天理市成願寺町197-1)
アクセス:JR「長柄」下車徒歩15分
奈良交通バス「成願寺」下車徒歩1分
(近鉄・JR「天理」駅から桜井方面のバスあり)
※遠方よりお越しの方は、近隣の宿泊施設をご利用ください

🌶 持ち物 ※現在調整中です。

🌶 お申し込み方法
ヤスダ屋のショップからご予約ください

🌶 講師プロフィール

ヤスダ屋 安田花織
在日韓国人のおばあちゃんと農家の日本の母の味、 2つの豊かな食文化に触れながら育つ。 高校卒業後食の世界へ。 懐石料理店、オーガニックコミュニティカフェなどを経て 2012年独立。 繋がりを大切に、出来る限り食材の産地に足を運び 食材の育った風景、作り手の思いを込めて料理を作る。 各種イベントケータリング、出店、お弁当ケータリング、料理教室など行う。
HP https://yasuda-ya.com/

里山文庫 前田知里
オランダの農業大学卒業後、食と農をテーマにブータンやインド、タイ北部、台湾原住民の村を尋ね歩き、古老たちから保存食や植物利用の知恵を学ぶ。奈良の古民家をセルフリノベし薬膳民泊をオープン。
HP: https://www.satoyamaplan.com/

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【キャンセルまたは欠席について】
🔸当講座は、3日間の連続型ワークショップです。事前に3日間で作る料理の全てのレシピをデータでお渡しします。必要に応じてプリントしてください。
🔸自己都合でのキャンセル、また、ご欠席の場合、ご返金はいたしません。(ただし、ご友人等にお譲りいただくか、代理出席は可とします)

<新型肺炎の流行に伴う対応について>
🔸会場ではマスクの着用、検温をお願いします。
🔸37.5度以上の熱がある場合はご来場をご遠慮いただきます。その場合も自己都合での欠席になりますので、お気をつけください。
🔸奈良県内にて緊急事態宣言が発令され、休業要請があった場合は、延期させていただく場合があります。その場合は、別途ご連絡させていただきます。
(第2回以降の緊急事態宣言では、時短要請は飲食店のみで、料理教室には自粛要請は出されておりません。)