2016年5月25日
発酵する食卓【アジアの発酵食編】照葉樹林文化と発酵を学ぶ食卓
これ、納豆なんです。
ネパールのキネマ、中国の豆豉、ラオスのトゥアナオ・・・
納豆は、日本の食べ物というイメージがありますが、世界には実に納豆があるのです。
ところかわれば納豆は調味料だったり、せんべい状にして焼いて食べるおかずだったり、乾燥していたり。カレーに入れられたり
こうやってみると、納豆の定義がわからなくなってきます。
アジアの照葉樹林文化と発酵食
稲作が伝わる以前、ネパール、ブータン、雲南、中国南部、日本へと、照葉樹林の広がる温帯地帯に共通する文化があったという「照葉樹林文化論」を提唱されたのは中尾佐助さん。
赤を神聖視する呪い、焼畑と穀霊信仰、製茶、絹、漆、野草の利用法、発酵食、そして、集落の成り立ち、妻問い歌や数々の迷信、アジアの村には、共通する文化がありました。
納豆はその一つ。
糸引き納豆、塩蔵納豆(日本で言う濱納豆や大徳寺納豆)、異なる納豆分布をマッピングしていくと、地域性が見えて来ます。
中尾先生は、「ナットウの大三角形」:「大豆」「植物」「菌」の植物文化複合が納豆の特徴であるとされています。
古枯菌をなにで培養するか、その地域にあるものを使います。
日本は藁につく菌を使いますが、バナナの葉だったり、シダの一種だったり。
素材の香りがそれぞれに独特で、その地の気候や植生が味や香りに表現されるのです。
参考資料:
佐々木高明「照葉樹林文化とは何か―東アジアの森が生み出した文明」
横山智「納豆の起源」
アジアな発酵食ナイト
高島の友人が泊まりでくるので持ち寄りディナーをしよう、ということで、ミャンマー、インドからのお帰りなさい会と合わせて食卓を囲む晩餐会。テーマは高島市が取り組む「発酵」。
オリエンタルな発酵食がいろいろと集まりました。
タイのフリーペーパーで発酵特集
「タイの発酵食」が特集されているタイの日本語フリーペーパー。
これはマニアックで面白い!タイに行かないと手に入らないご当地情報が楽しいです。
「DACO」http://www.daco.co.th
豆腐よう
乾燥させた豆腐を六ヶ月間、台湾で手に入れた紅麹につけておくと・・・。
東洋のチーズといわれるだけあって、とろとろ。
アジアの麹
ベニコウジは、台湾で買えます。いまや、作っている人が少なくて、かなり探しました。
日本の麹とはまた違った香りがします。
納豆と同じく、麹もところかわれば、形もちがう。
そして、その形や風味をつくるのは、気候だったり、その土地でとれるものだったり、民俗文化の違いでもあったり。
ベニコウジ |
マッコリとか、アジアのどぶろくに使われるのは、日本のバラ麹とちがって、団子状をした餅麹。
もちこうじ |
この映像がすごいわかりやすくておもしろいです。
台湾の餅麹の作り方 製作酒麹ビデオ 「O'rip 慢生活」より
お茶の発酵食
お茶には大きく分けて2種類、大葉種(アッサム種)と小葉種(シネンシス種)があるとされています。
起源をたどっていくと、納豆と同じく、お茶は調味料としても使われていたのです。
ミャンマーのラペソ、雲南のミエン。
日本の茶粥もそうですが、お茶は、料理のだしのかわりに使われる他、漬け物になったり、保存食としても利用されています。
インドのワラや、カレー、そして、高島からは、地酒や、飯寿司、ヤンニョムなどなど。
いろんなテーマを持ち寄って食卓を囲むのはいいですね。
食卓から学ぶアジアの発酵食料理の会でした。
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