2017年4月21日
ならいごとの旅 in 台湾(8)客家の植物民俗と保存食の知恵
九州と同じくらいの国土の台湾には、約20の民族が暮らしていて、平地の民族、山地の民族、海の民、それぞれの言語があり、建築も食べ物も文化も多様性に富んでいます。
今回お邪魔したのは客家の家庭。広東から数百年前に移り住んだといわれる客家は蓄財が上手なイメージで語られることが多いけど、実は野草採りや保存食づくりの名人でもあるのです。
田媽媽の雲の上のレストラン
苗栗で農園とレストランを営む雲也居一は、保存食名人の客家の中でも、台湾の農協が認定する「田媽媽」という料理上手なお母さんに送られる称号を持つおかあさんのお店。田媽媽の看板は、日本で言う農水省の「おかみさん百選」のようなものでしょうか。条件は農協の婦人会に入っていること、先輩の田媽媽たちから講習を受けること、そうして、年配の媽媽から新規就農の若い媽媽へと、技と知恵が受け継がれてゆくのでした。台湾の田媽媽紹介本がでています。 |
農場へついて早速、たけのこ採りへ。1 年分のタケノコを保存するためだそう。
台湾のたけのこは、日本のようにタケノコ「堀り」ではなく、手でぽきっと折るもの。
主に3種類のタケノコがあり、旬や用途が違うそう。
今回とったのは春に採れる桂竹筍。ほんとにぽんっと音がして手で折れて面白い。
大量に皮を剥いていきます。
剥き方にコツがあり、まず縦に一筋剥いていく |
すぐ食べる時は、油を少し入れて煮ると味がまろやかになる。保存する時は煮て冷凍、油は入れない。冷凍しておいておくと、えぐみがなくなっているそう。油は灰汁抜きということだろうか??油は貴重なものなので、山地民族ではまずない風習です。
桂竹筍の季節が終わったら、夏は日本と同じ種類の麻竹筍、冬は冬筍がとれるそうです。
そして、次はおかあさんに夕ご飯に使う山菜とりにつれていってもらいました。
畑にはいたるところに野草が。 |
咸豐菜。こちらもサラダに。
野人参、根っこを干して乾燥させて漢方薬に。
クワズイモ。これは食べられませんが、蜂に刺された時にぬるのだそう。
客家民族植物という本がいくつかでています。
龍葵の油炒めをつくります。
お父さんも料理上手。
夕食には、私もおそばをつくりました。
30cmほどの狭い畝幅で、急傾斜にテラスがつくられている。
機械がはいらないので手作業なのだそう。
ターメリック。
アブラナの種採り。客家といえば、漬け物。これも漬け物用の菜っ葉だそうでタネをとっている。
たねとりほ場 |
台中まで見渡せる夜の風景。
APECの台湾農家代表として日本にも言ったという田媽媽おかあさん。
田媽媽の本をいただきました。
食農教育に取り組むコミュニティーの食卓
三義は廃線となった日本統治時代の旧駅舎を中心に、観光客も多く訪れる地域で、鯉魚地域はそんな観光地の喧噪からは離れたゆったりとした空気が流れる香り米の産地でもあります。
香り米の田んぼ |
自然生態を活かした無毒栽培に取り組む |
3つのご家庭にお邪魔したのですが、どこの家庭もお父さんがお料理上手なのが驚きでした。
各家庭にあるおおきな釜で薪を炊くお父さん |
お父さんがつくってくれたショウガの調味料
すりつぶしたショウガに、醤油、酢、油をまぜたもの。これが絶妙においしい。
ショウガの甘たれ |
お庭には樹葡萄という不思議な植物が!樹の幹から葡萄がはえています。
Wikipedia先生によると、日本語でジャボチカバ、学名 Plinia cauliflora (Mart.) Kausel、英語: Jabuticaba、フトモモ科の常緑高木だそうです。ライチのような食感でおいしい。
春に大量にとれるときは樹葡萄を漬け込んで保存
竹筒飯のできあがり
近所のひとたちや親戚、次々にいろんな人が集まってくるにぎやかな食卓でした。
次の日の朝、三義の観光名所を案内してくれました。
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