2012年4月1日

たねの不思議(2)F1のメリット、自家採種のメリット

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オーガニックやる人の中には、F1を悪者のように言う人もいますが、私はタキイからも種を買っているし(というか、友の会メンバーだし)、原発推進派じゃないけど、デモに加わるつもりもありません。反対したかったら電気を全く使わないか自分で使う分は自分で発電すればいい。(ちなみにうちは10年前から太陽光でエネルギーは自給、余った電力を売ってます。)マクドナルドのポテトも食べるし、マクロビの考えは好きだけど玄米ばっかり食べてるわけじゃありません。お、これ、いいなぁと思ったことは生活の中に取りいれる、それでいいんだと思ってゆるくやってます。

採種は何でやってるかといえば、花がかわいいからです笑。(とか言ったら師匠にアホかって言われましたが…ま、人生そんなもんです。)にんじんの花、かぶの花。セロリの花。見たことありますか?かわいいんです。知らないで食べてると損した気になりますよ。

私たちは成長段階にある野菜の命を食べています。主に穀類(イネ、豆)、完熟を食べる果菜類(トマト、ナス)などは成長の最終段階で採るものなので、作物は一生を全うできます。

しかし、同じナス科でもきゅうりは成長途中、根菜類(だいこん、かぶ)や葉物(レタス、ほうれんそう)なんかは育ち盛りのいわば青年期に命を落とすことになるのです。一生のうちで一番美しい姿を人に見せることなく。最後までそうした命に関われるのは、種とり人の特権かもしれません♪



植物は全て種で増えるかといえば、種をつけない植物もあります。3倍体の彼岸花なんかは、ほとんど種をつけないようです。

株分けで増えるものは、遺伝的に同じ子孫を残すことができます。つまり、クローン。クローンと実生(種)の両方で増えるものもあります。じゃがいもなんかそうですね。普通種イモをつかうけど、じゃがいもは根っこではなくて茎です。じゃがいもにも緑の実がなって、完熟させれば種も採れます。じゃがいもの育種では種を使うのですが、種からだと普通の大きさのジャガイモになるまで3年かかるんだそうです。でも、やっぱり株分けよりも実生の方が面白いんだよなぁ。

ジャガイモの種

ブログ(アグロエコロジー):「ドイツの育種企業見学ツアー」

ちっちゃな種には、膨大な過去の記憶(先祖から受け継いだもの)と未来の情報(どういう姿、形、味になるか)がつまってます。いわば、種は命の過去、現在、未来をつなぐもの。種を見ただけでは、形質が受け継がれているかわかりません。どんな大人になるのでしょうか。育ててみてのお楽しみ、まぁ子育てみたいなものでしょうかね。種から育てるとこういう楽しみが増えるんです。

F1種のメリットとしては、収量が高い(雑種強勢が働く)こと、一定量不揃いなくできること。やはり出荷を目的とする農家さんには、欠かせない条件だと思います。

自家採取するとどうしても不揃いになってしまいます。その分、ある病気がでたとき、F1では遺伝子が均一なので死滅してしまうかもしれませんが、自家採種したものはあるものは死に、あるものは生きる。収穫時期も重ならず、少しずつ長く採れる。

F1は一度に大量出荷する商品向き、自家採種は少量多品目のこだわり品むけと、用途で種を使い分けるのがいいのではないでしょうか。

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