2012年5月24日
伊根の奥座敷のカントリーライフ
「ピーターラビット」で知られるベアトリクス・ポターと同年代に生きた女性、エディス・ホールデン(Edhith Holden)はイギリス南西部のキングストーンに生まれました。彼女はバーミンガム美術学校で絵を学び、美術教師になりました。
教え子のお手本として書かれた1906年の「カントリー・ダイアリー」は彼女の死後、夫のスミスの親族が保管しており、1977年、「カントリーダイアリー(The Country Diary of An Edwardian Lady)」(通称:エドワーディアン・レディー) が出版され、ベストセラーになりました。
私がこの本が好きなのは、四季ごとに見た植物や動物の絵と四季の移ろいを記した解説があるところです。
山野草の図鑑ってある一時を切り取ったものが多く、四季の変化が見えないんです。すごく啓発されました。私も昔絵を描いていたのですが(我流ですが)、写真でなく、絵で伝えるのも楽しいんじゃないかなぁーと思いました。
この絵本について知ったのは、伊根の奥山に佇む古民家に一人住む女性を訪ねた時でした。まさに、カントリーダイアリーの世界がそこにあったのです!!
庭の花壇には、色とりどりのお花、山野草がまるでディスプレーのように並んでいる。木を活かしたアート。アーチにバラ。
元教師であった彼女は、病気で苦しむ人から健康や食について相談をうけるようになり、一緒に山を歩き、野草の使い方を教え始めました。今や、若い女性からおばあさんまで、口コミで生徒がひっきりなしに都会からも山奥まで訪ねてくると言うのです。
お訪ねすると、山菜料理をごちそうしていただき、次の日のお弁当まで包んでいただきました。感激です!
先日、宮津で森のイスキア、佐藤初女さんの講演会に行ってきたところですが、こんなに身近に、ひっそりと森の奥で同じような活動をされている女性がいらっしゃったのです!!
前回記事:森のイスキア佐藤初女さん講演会in宮津
ちょうど野草や昔ながらの植物の利用法などについて勉強したいと思っていたので、ぜひ、次に生徒さんたちと山歩きをされる時に誘ってもらえるようにお願いしました。
ただ、マスコミNG、場所を明かさないでください、とのことでしたので、「知る人ぞ知る伊根の森の隠れ家」、ということで・・・。
伊根町は舟屋が有名で港町のイメージしかないかもしれませんが、面積の75%が森林なんです。
丹後半島は南方系と北方系の植物群が交わる点であり、特に野生植物の種類が豊富だと聞きます。
森林にしても、針葉樹から広葉樹まで幅広い種が存在しています。
源流から川、谷、そして海まで1つの町内にあるというのは、日本全国探しても、伊根以外にないのではないでしょうか。
エディス・ホールデンの「カントリー・ダイアリー」風に、月ごとの暮らし、四季の移ろい、感じたことなどを描き、小さな冊子にすることが今の私のささやかな夢です。そして、そのうち、ブータンの農と暮らしの手帳も作りたいなぁ~。
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