2013年3月31日
広島県農業ジーンバンクの船越さんの畑指導
2月に、船越さんのレクチャーを聞いて、すっかり賢くなった気分がしたのですが、やっぱり畑で実際に作物を見ながらお話をさせてもらうとぜーんぜん違いますね。もうかれこれ30年続いているという篠山の「お米の勉強会」主催で、3月30日~31日にたねとりの実習がありました。泊まり込みで2日間みっちり勉強。
参加者たちの勉強熱心さには圧倒されつつも、たくさん質問させてもらいました。
レポートちょうだい!と言われつつ・・・
勉強したことの整理も含めて書いていきたいなぁと思います。
●美人薄命というけれど、種の寿命も、白ければ短い!
これはちょっと新発見ですよ。(自分の中では・・・vV)
いんげんでも、白い種は短命。
大豆も、黒大豆の方が長持ちする。
赤米や黒米などの古代米は、保存がきいた。白米を食べるようになってから、保存期限が短くなった。
その他、種の寿命に関しては、
・でんぷん主体の種>油脂主体の種
・小粒の種>大粒のたね
(種の体積に対して表面積が大きいほど長持ち)
つまり・・・
種の大きさは、大きければ養分も多いので、立ち上がりが早いが、寿命短い。
●古代米は開花期が長かった
雑穀や古代米は、開花期が長く、交雑しやすかったけど、白米は、開花期が1日なので、交雑の危険が少ない。
言い換えると、古代米は、とにかく強い遺伝子を残すため、交雑しながら生き残ってきた。
●在来種を守りたいなら、その野菜が育っていた環境を再現すること!
まぁ、その通りなんですが、ただ、在来種の種を集めてきて育てるだけではいけないんですね。
やっぱり、その地で育てないと意味がないです。
たとえば・・・
焼畑で育っていた大根を、水田に植えると、辛みがなくなる。
辛みダイコンの辛みがなくなったら、在来の味を守ることにはならない。
シードバンクは、各地方にそれぞれないと意味がないんですね。
●採種用の栽培と、青果用の栽培は違う!
収穫せずにおいといた実から種を採るのは間違い。
よい種をのこすためには、最初から採種用に育てること!
「たべて、うまかったら種とろう、じゃダメです!」
あ、はい。すみません・・・vV
ちゃんとやります。。
独り言はおいといて、
株間のとりかた、移植のタイミング、は種の時期まで、採種用の栽培は、普通の栽培方法とは違うんですよ。
しかも、採種でも、家庭菜園向けなのか、市販向けの採種なのか、原種維持のための採種なのか、目的によって重視するポイントが違ってくる。
ここらへんは、またおいおい書いていきます。
●果菜類の採種は、2~3番果を!
どのあたりの実を種用に残すのがよいか?
まず、1番果をいつまでもおいとくと、作物の成長が鈍る。
摘果して、まず根を充実させる。それから実。
そして、しまいの果実は、低温でうまく充実しないことがある。
よって、2~3番果あたりを種用に残す。
●結果と結実は違う。ウリ科は、たくさん種をとるには、たくさん花粉が必要なので、雌花1つの交配に雄花2つ使う。
単為結果といって、花粉がなくても、ホルモンの作用で実はなるけど、花粉がなければ種ができない。
ふつう、種なしがうれしいんだけど、採種の場合種がたくさんついた方がうれしい。
ので、花粉はたーっぷりつけてあげようね。
●雄花は咲く前にとって、器に入れてラップしておくと、次の日開く
「交雑防止のため、雌花を袋に入れる人は多いけど、雄花の交雑防止対策を忘れる人がいる」
はい、私です・・・。
そっか~雄花にも別の花粉がついたら交雑するんだ~!
雄花に別の花粉がつかないように、咲く前にとっておく。
ラップしておくと開いてくるので、花粉を雌花につける。
さて、2日目の畑実習では約半日畑で質問タイム。
だいぶマニアックな参加者たちだったんでもりあがっていましたが、
今日の所はこんな感じで・・・
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