2013年4月3日
まぼろしの舞鶴かぶ(喜多かぶ)を求めて・・・
まぼろしの「舞鶴かぶ」を求めて、西舞鶴に行ってきました。舞鶴かぶは、「喜多村かぶ」ともいわれ、京の伝統野菜としても認定をうけています。
このかぶ、京都の在来のかぶやツケナともルーツが違い、独自に大陸からやってきたものではないかと言われています。
いわば、海の玄関口であった、山陰地方の日本海文化の生き証人かもしれないんです。
※2013年9月30日加筆。舞鶴かぶのタネ入手しました!
まぼろしの舞鶴かぶ、発芽しました。
(写真 荒川種苗さん提供)
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舞鶴かぶ
<来歴・栽培> 舞鶴市四所喜多の原産とされていますが詳しいことは不明です。
舞鶴市の荒川種苗店が喜多で栽培されていた「喜多かぶ」を昭和20年代に市場対応上か「舞鶴かぶ」に名称変更されたものです。
栽培は9月上旬には種し10月中旬に収穫します。
直径15cmほどの大きさの中かぶで地上にでた部分は赤紫色を呈し茎葉も赤紫色を帯びます肉質はやや硬く漬物にはむきませんが煮炊き用に優れています。
現在ではわずかしか栽培されていません。
( 京都府農林水産課「京の伝統野菜」)
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このかぶを守ろうと、最後まで採種を続けていた 荒川種苗さんにお話を聞いてきました。
京都府農林水産課のリーフレットには「生産者は現在ではわずか」と書かれていますが、実際は、最後まで 採種をがんばってやっていた荒川種苗さんのおじぃちゃんは残念ながらもういらっしゃらなくて、おそらく絶滅したらしい・・・とっても残念!!
集落のもっとご高齢の方ならご存知かも、と のことなので、また改めて訪ねてみようと思う。
「京の伝統野菜」のページには、詳細不明と書かれていますが、舞鶴かぶは、どうやら、洋種系のかぶと、東洋種系のかぶが交雑してできたものらしい。
青葉高先生の本には、舞鶴かぶの記述がしっかりでています。
参考:青葉高「野菜:在来品種の系譜」法政大学出版局
東日本では洋種系、西日本では和種系が多く、若狭湾と伊勢湾を結ぶライン、関ヶ原あたりを「かぶらライン」と呼ばれています。
参考:「野菜図鑑」
天下分け目の「かぶらライン」から東に洋種、西に和種が多いんですが、例外があります。
●長崎や佐賀には、和種系品種の分布するはずが、洋種系が現れる→貿易で渡来?
●愛知、東海地方は和種系が混ざってる。関西との往来が盛んだった?
そして・・・
●山陰地方(舞鶴、豊岡)には、洋種系が混ざる。
舞鶴の佐波賀かぶ、舞鶴かぶは、東北アジア方面から入った洋種かぶがほとんどそのままで残されている品種だとされています。
おそらく、アジア大陸から、日本海岸に渡来し、東日本に伝播したようですが、古代の文化交流から生まれた日本海文化の貴重な生き字引なんですね。
ちなみに、写真の「舞鶴かぶ」は、むかしは白かったそう。
交雑で赤くなっていき、縞を活かした漬物とか、煮物にして食べられたとか。
赤カブと白カブを交雑させると、地上部が赤く、地下部が白くなります。
ホンモノの舞鶴かぶがみてみたいなぁ~
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