2013年8月19日
サトイモの伝播と鶴の子芋の栽培
「たねのうた」のメンバーからわけてもらったツルの子芋。京都の海老芋に似てるんですが、これ、石川早生系なんですね。
なぜにこんな形に?とおもうのですが、種の伝播の歴史を調べるととっても面白いのです。
当たり前ですが、昔は今のように、インターネット注文なんてできませんでしたから、種は人から人へと伝わっていきました。
種が旅する出会いの場所は、
お祭の屋台であったり、お寺であったり、商人であったり、宿場町の関所であったり。
どの村から嫁をもらっていたのか。
親戚関係がキーを握っていたりします。
そして、戦争。
従軍した兵士が故郷に帰るときに種を持ち帰ったという事例や、
京都の寺田芋は、島流しにあった元罪人が鹿児島から持ち帰ったというから面白い。
サトイモはもっとも古くから日本に根付いてきた作物の一つ。
大きく分けて熱帯性と温帯性の2種類がある。
- 熱帯性(2倍体):コメの裏作として水田で作られた。田芋と呼ばれる。南方から伝わり、最も古くから根付いた。
- 温帯性のものは 3倍体。多く出回っている石川早生 をはじめ、子芋用の品種。中国大陸経由で伝わった。
熱帯性なら、南の方に多いだろうと思われるのですが、東北に伝わっているのは唐芋群のカラトリイモや、山形の田芋も熱帯性の2倍体なんですね。そして、京都の海老芋は長崎から伝播したようです。
ズイキや親芋を生産する東北のトオノイモは、水田でつくられ、京都、大阪の海老芋は子芋用に高畝で作られた。同じトオノイモ群でも、農法や食文化の影響で、これだけ姿形が違ってくるんですよね。
こちらはツルの子芋の成長の様子。
だいぶ大きくなってきました。
鶴の子の鶴の首のように、長細いカタチにするには、土寄せが必要ですね。
6月30日 |
8月18日 |
前回記事:
熊本阿蘇の在来種、つるのこ芋の栽培からおいしい食べ方まで~
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