2014年10月19日

アイヌのツチマメ(アハ豆)を収穫

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ツチマメ(マメ科ヤブマメ属)
学名: Amphicarpaea bracteata ssp. edgeworthii var. japonica
アイヌ語: アハ, エハ ahá
英語:hog-peanut
中国語:两型豆
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ツチマメは、北海道の幌別、穂別、千歳など、アイヌのひとたちが、利用して来た植物です。おもしろいことに、この植物は、落花生のように、土に潜る花と地上につく花の2種類の花がなります。

Tsuchimame, or Aha bean (hog peanuts in English) is cultivated by Ainu people (minority tribe in Japan) with 2 types of pods; under-ground and above-ground beans.

地下につく豆は、地上のよりも大きくて、生で食べるか、雑穀のようにご飯と炊いて食べたり、むかごのように油で揚げてもおいしそうです。
アイヌのひとたちは、「アハ」と呼び、春になると、雪解けの土のなかからツチマメを採集して食べたといいます。

under-ground pods are bigger than above-ground, and eaten by boiling with rice, or fried.
Ainu harvested Aha beans from the soil at the time of melting snow in spring.

タネをむいて、干して、「ペカンペ」というヒシの実や、「シケレペ」とよばれるキハダの実と一緒に炊いて食べることも。
ネイティブアメリカンも、地下の豆を食べる習慣があるようです。
http://www.ibiblio.org/pfaf/cgi-bin/arr_html?Amphicarpaea+bracteata



地上にできる鞘には、小さなタネが4〜5個入っています。
4-5 seeds are in the above-ground pods.


どうして、2種類のタネができるんでしょうか?
why does this crop have 2 types of pods?

想像するに、じゃがいもと同じで、栄養生殖で増える芋と、花が枯れた後にできる実かな、と思ったのですが、土の中にできる豆も、イモではなく、花が咲いた後にできる実なんですね。


調べてみると、地下にもぐる花は、自殖性(交雑しない)、
そして、地上の花は、他殖性(交雑する)なのだそうです。

Under-ground flower is self pollinated, and above-ground flower is cross-pollinated.
2 types of reproductive functions enhance adoptability to the changes of the environment,
and also genetic purity.

2つの生殖システムを使い分けることで、
自分の遺伝子の純度を保ちながらも、
あらゆる環境に対応できるよう、
地上にも花をつけるのでしょうか。

興味深い植物です。


※育て方:
春にタネ撒いて、秋に実ができます。
けっこう蔓がいろんなとこにのびていくので、注意。
そのまま土の中で冬越しして、翌春に収穫。
比較的、日陰でもよく育ちます。



参考文献:
知里真志保「分類アイヌ語辞典植 物篇」
福岡イト子「アイヌ植物誌」


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