2012年2月1日
山のものと海のもの
「君が在来のものに興味があるというのなら、山のてっぺんから海まで歩いてみなさい」丹後に来て、ある人から言われた言葉です。
昔ながらの穀類や伝統野菜を作りたいというと、まずは山と海を見ろと言われました。
農学生だった私は、「なぜ畑でなくて、海や山??」と思ったのですが、最近ちょっとづつ気づいてきたことがあります。
海は生命の原点なんですね。そして山は生命の多様性の維持に欠かせないもの。
畑で育てられている改良された野菜たちの在来種は山にあったのです。
大根の野生種である「スズシロ(清白)」、ワインにも使われる在来の「ヤマブドウ」、自然薯の蔓からは「むかご」がとれる。
この子たちは、肥料をあげなくても、殺虫剤をまかなくても、古来から自生えしているのだ。
山を下り、浜辺には「ハマボウフウ」「ハマダイコン」「ハマゴボウ」といった、海浜植物が姿を現す。
そして、海に出れば海藻、魚介にも旬の季節があります。
海藻がおいしいのは実は冬の今。魚は伊根では脂ののった「寒ブリ」が一番人気です。
春になるとワカメが軒下にぶら下がり、乾燥海藻が出回る季節に。
「海の肉と畑の肉は相性がいい。
豆と昆布、こんにゃくは良く合うのよ。」
こんにゃく作り教室で、おばあちゃんに言われてはっとしました。
畑の肉の栄養はタンパク質、そして海の肉の栄養はミネラル。
ヨードやナトリウムなど畑でとれないものを海のものは補完してくれるのですね。
自然はすべてどこかでつながっているのです。
「山のてっぺんから海まで見なさい」
というのは、こういうことだったのだろうか・・・?
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