2012年4月30日
薦池大納言の伝説(1)幻の小豆と鬼の伝説
最近、興味をもっているのが、
日本昔話とつながる薦池の伝説と幻の豆のお話。
旧筒川村の薦池という集落に、幻の小豆があります。
それが、左側の写真ですが、俵型をしていて、普通の大納言よりも一回り大きく、縦に積み重ねることができます。
丹波大納言と比べてもこのとおり |
ところが、この小豆はいくら同じ種を使っても、薦池でしか採れないのだそう。
大粒でしっかりしてるので炊いてもつぶれず、粒をそのまま
トッピングに活かせると和菓子屋さんに評判。
別の地域に持っていくと、2代目で小粒化するのだそうです。
薦池内でも、同じ種を同じ場所で作ると2代目で小粒化するので、
地域内の他の農家と種苗交換しながら形質維持してきたそうです。
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「節分のない薦池さん」
昔話にこうあります。
薦池の大家さんが、吹雪の日に鬼に助けられました。
大家さんは鬼にお礼を言うと、
「礼はいらないから、節分に豆をまくのをやめてくれ」
と鬼はいいました。
大家さんが村人に話すと、
「大家さんのいうことに間違いない!」
と、節分をやめてしまったのだそう。
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節分に撒く豆は大豆ですが、小豆は、昔、魔よけに使われてました。
幻の小豆と、鬼の伝説。
研究しがいのあるテーマです。
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(仮説1)
大粒になる形質は、劣性遺伝で、固定されてない。
それで、2代目以降になると小粒化してしまう。
(仮説2)
薦池の農家は代々受け継がれてきた選抜知識or大粒にするための技術をもっている。
(仮説3)
気候や土など薦池の環境条件が大粒大納言の形質維持に適している。
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他の地域では育たないというのは、薦池は高度が高いので気候の違いのせいかもしれないし、土質が違うのかも、という仮説がなりたつ。
しかし、同じ地域内でも連続で撒くとだめで、種苗交換すればOKというのは、どういうことだろう?
個人的には、気候や土もあるのだろうけど、薦池でやってきた栽培方式に何か特徴があるのでは?と思ってます。
普及員の話によれば、今や3世帯のみとなってしまった薦池の人たちは、 超シャイで、外部の人間が来れば、家の中に隠れてしまうのだそう。なかなか話しが聞けないとか。
それと、遺伝的に固定されてないというのが大きい気がします。
2代目からすぐに小粒化というと、おそらく、もち米のモチ質と同じで、すぐに消えてしまう劣性遺伝子がからんでるのかもしれません。
ストックの八重咲き鑑定というのを聞いたことがありますか?
ストック(画像:wikipediaより) |
ストックは丹後でよく育てられている花卉ですが、花弁が八重咲きになるのは劣性形質で、熟練した生産者は、苗が小さいうちから、八重になるかどうか鑑定できるのだそうです。
八重になるものと、一重のものでは、葉の色や形が微妙に違うそうです。
この違いは素人にはさっぱりわかりません。
薦池にも、熟練の農家がいて、大粒になるものがわかり、形質維持のため小さいうちから選抜してたのではないか?
このあたりの話しが聞けそうだった、村いちの熟練農家さんがお亡くなりになられたそうで残念。
この仮説、実証してみたいです。
→薦池大納言の伝説(2)土壌診断へつづく・・・
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