2020年9月27日

生薬を染める暮らし〜健胃・殺菌薬の黄檗を染める〜

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キハダのオンライン染色講座も5回目になりました。暮らしにどんどん黄色が増えていきます。染色するか食べ物を作るかの毎日で、薬膳と植物と染色が自分の中でだんだんつながってきました。

陀羅尼助や百草丸に使われているメインキャスト、キハダは生薬名を黄檗(おうばく)と言い、主要成分のベルベリンを中心とする健胃効果が知られています。

キハダという植物は、ミカン科の植物で、森に入るとわかるのですが、ふわっとみかんの匂いが漂っています。木を倒す瞬間はなんとも言えないスパイシーかつ酸味のある香りを感じます。英語名がアムール・コルク(Amur cork)というように、コルク層で覆われていて、鬼皮のように幹にくっついています。幹の構造は3層になっていて、まるで栗の渋皮煮を作る感じでそのコルク層を向いていくと、真っ黄色の内皮が現れます。梅雨時のむきたてはまだ青い酸味が香るみかんの皮のようです。さらに内皮を向くと、真っ白の心材が現れます。白と黄色と茶色の3層にあらわれるキハダはなんと美しいか。梅雨時になると奈良県の各地の生産者でお手伝いを募集されているので、一度ぜひ経験してみていただきたいです。



キハダの植物は、漢方薬に加工される内皮以外の部分はほとんど使われることがありませんが、実は、葉っぱも実も食べられるし、芯材は木工職人に加工され、家具などに使うこともできます。小さい幹はほとんど捨てられるか、薪にされていますが、その部分だって、ひたすら磨くと美しいまな板になります。


葉っぱは焙煎するととてもいいお茶になるし、液体がほんのり黄色いので、たぶん、ベルベリンが含まれているのでしょう。胃腸が弱っている時に飲むとよいかもしれません。


実は、山椒よりも一回り大きく、フルーティーな香りがします。アイヌ料理の中で、ラタシケプと呼ばれていて、かぼちゃの煮物に使ったり、煮詰めてのど飴として活用しているようです。私は、醤油麹漬けにしたり、オリーブオイルや泡盛、塩漬けにして楽しんでいます。


世界最古の酒、ミードのスパイスとして

染色講座のたびに、自分でも染めるので、暮らしに黄色が増えていきます。



レンコンのスタンプおすと可愛い模様が。

こちらは太陽染のワークショップ。火を使わずスローな染色です。

今年は残りあと2回。10月10日と24日に予定しています。

イベントページ:

https://peatix.com/user/509875/view


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