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2018年8月11日

【中国フードツアー #03】茶馬古道お寺の料理教室

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茶馬古道 Tea Horse Roadをゆく


シルクロードが絹の道だとすると、茶馬古道はその名の通り、茶を馬で運んだ交易の道。

茶以外にも塩を作る塩井が残る名産地でもあり、塩商が通っただけあり、腌菜や泡菜など塩蔵文化も発達。そして、豆腐は初めからアルカリ度の高い天然水でニガリを使わず加工するそう。前回記事でも書きましたが、そんな食の起源をテーマに旅してきました。

茶馬古道には、大理、麗江、シャングリラからチベットへ抜ける北の道と、プーアール、西双版納からタイへ抜ける南の道があります。今回旅したのは、昆明、大理から麗江へと北上するルート。大理と麗江は随分と観光地化されているのですが、その中間ほどにある沙渓古鎮は、比較的観光客が少なく、落ち着いた雰囲気でおすすめ。

大理から沙渓古鎮へは、バスで剣川まで行って乗り継ぐ方法と、蘭林閣酒店(Landscape Hotel)のシャトルバスを利用する方法と2つあり、後者は地球の歩き方はじめ、日本のガイドブックには乗ってない裏技なのですが、いわば、沙渓にある姉妹ホテルへのシャトル便が毎日1本、出ているのです。朝にでて、昼頃つきます。直行なので便利。あまり知られていないのか、沙渓古鎮に人気がないのか、広いシャトルに乗ってるのはただ私1人だけでした。

ほぼ誰も歩いていない古い町の様子。古民家建築が建て並ぶ

元劇場を改装した体験型民宿

今回お邪魔したのは、その沙渓古鎮からさらに車で20分ほどの農村集落。
さらに、どんどん田舎の道をタクシーでゆくこと20分。すっかり農村に。

 

Duan村にあるお宿、Old Theatre Innはその名の通り、元劇場。シアターを改装してできた体験型の民宿。

料理を習ったり、地元のハンターにキノコ狩りに連れて行ってもらったり、マーケットの日は、食材を案内してもらったり、自転車を借りて散策したり、登山や古い寺院巡りなども案内してもらえるのです。

元劇場を改装したお宿

お寺の料理教室

私は1泊のみの滞在だったので、1日目は自転車を借りて村を回ったり、村にひっそり佇むお寺で、お料理を習い、2日目はキノコ狩りに連れて行ってもらいました。

<前回記事参照>
【中国フードツアー #02】茶馬古道の山中で菌ハンターに出会った


こちらが、川の向かい側にある村のお寺。



精進料理を提供するカフェもやっているというこのお寺、中に入ると、これまでの茶馬古道のまちのどこよりも秘境感があり、落ち着いた雰囲気で心安らぎました。



まずは、材料の説明から。地元で採れた野菜、寺では油も自家製。菜種の栽培から油を絞るところまで、自分たちでやると言います。そして、大理のチーズとはまた違う、「乳餅」と呼ばれるチーズが!これも地元の村で作っていて、毎週1度開かれる市場の日に合わせて作っているのだとか。

私が行った日はちょうど市場のない日だったので残念ながら見ることはできませんでしたが、市場の日に行くのがおすすめ。いろんな食材を案内してもらえるマーケットツアーも。




<作り方>
乳餅炒め:チーズをサイコロ型に切って油で揚げる
素炒南瓜絲:瓜と唐辛子を油で炒める
雞蛋番茄湯 :卵とトマトを油で炒め、水をたす

どうやら、この3つとも、結構な量の油を使います。
卵でさえ、「炒める」ではなく、「揚げる」に近いくらい。

この調理方法を見ていると、いい油を使うことに力を入れたい理由がわかります。



お寺のクッキングクラスは、一人旅でも予約できました。

ここも、残念ながら日本のメディアには取り上げられていないようで日本語の情報がないのです。面白い場所が日本語になっていないことが多々あるので、私はいつも、現地語か英語で、日本のサイトではなく、現地でよく使われているメディアをチェックするようにしています。


Old Theater Inn の予約はこちらから。


2018年8月8日

【中国フードツアー #02】茶馬古道の山中で菌ハンターに出会った

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今、雲南はキノコラッシュ。キロ8000円ほどになることもあるのだとか。

中国語でキノコを「菌子」といいますが、「良い菌あります」という看板を見かけたらそれは菌ハンターのお家。村のハンターたちが早朝から籠を背負って山へ出かけていくのです。




たいがい、菌ハンターはバイ族のおばあちゃん。村人は子供でもキノコを見分けられるという。菌ハントへ連れて行ってもらいました。


標高2000mで早くも息切れし、付いてゆくのに精一杯でした。

途中であったばあちゃんたちは、早朝から山のてっぺんまで行って戻ってきたところで、海抜が高い場所の方が良いキノコがたくさんあるだという。いいキノコをとるには早起きしないといけないのだ。





桂花菌,鸡蛋菌,青头菌,喇叭菌,黑牛肝,黄牛肝,小黄牛肝,黄辣伞,9種類のキノコをゲット。


黑牛肝


キノコの販売


「またきてねー、次来たら乳餅案内するから」と四郑村のお姉さん。
雲南いく機会があれば絶対オススメの村です。


麗江の飲食店にキノコを持ち込み、頼んで回ること約10軒。
なんのキノコかわからないものを料理できない、衛生上の問題で無理、などなど、断られ、涙ながらに腐らせるしかないのか、と思ったその時、ついに!キノコ鍋になりました〜!!

飛び込み営業ってやったことないけど、サラリーマンとかでこれ毎日やってる人はすごいと思う!!






乳餅は、市場に出す金曜日にしか作らないとのことで、今日は発酵してませんが、菌な一日でした。



2018年7月30日

【中国フードツアー #01】 白族のおじい、おばあに学ぶ保存食の知恵

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オランダの農大在学中、半年間ブータンの農村調査に携わったことがきっかけで始めた小さな村の持続可能な暮らしを学ぶ旅。毎年、数回、どこかの村へ聞き書きに出かけています。今年はブータンにいた時からずっと行ってみたかった雲南省へようやく行くことができました。

 発酵食をテーマに白族のじいちゃん、ばあちゃんに聞き書きしながら料理を習う。干しチーズ、発酵パン、豆腐よう(こちらでは毛かび臭豆腐の油漬け)、豆豉、腌菜、などなど一緒に仕込みました。

なぜ雲南へ?

中尾佐助さんの「照葉樹林文化論」では、イネをはじめ、餅や納豆や漆器、釘を使わない伝統建築など、日本文化の基本的な要素の源流が雲南・ヒマラヤを中心とする東亜半月弧に見られるとの記述があります。いろんな作物の起源でもあるこの地域は、在来種マニアにとっても面白いのです。

今回は、「茶馬古道 Tea & Horse Road」を北上し、昆明→巍山→大理(喜州&周城)→沙渓→麗江と、バイ族の村を中心に旅してきました。

白族やイ族、ダイ族、ヤオ族、チワン族、 ジノー族、ナシ族など雲南には多様な民族が暮らしています。それぞれに、言葉や民族のルーツも違えば、食べ物も異なります。例えばチーズ。遊牧民から習ったのであろうチーズが、時代の流れにより、炙りチーズがあったり、それぞれの民族で独自の発展を遂げています。

景色や作物はブータンに似ています

若き起業家、ルーシーのフードツアー

案内してもらったのは、上海の旅行会社で働いた後、9年前に気候の良い雲南に移住し、起業したルーシーさん。少数民族の多様な文化を掘り起こし伝えるフードツアーや料理教室を企画されています。茶馬古道を1週間かけて、村に泊まり、古式塩田を見学したり、お茶を一緒に作ったり、少数民族に伝わる料理を習うツアーもあり、ヨーロッパ人に人気だとか。トリップアドバイザーでもほぼ満点のスーパーガイドさんなのでした。

アメリカ人や日本人はあまり参加していないようですが、いろんな民族の食文化を調査する料理研究家でもあるルーシーさんは、地元のじいちゃん、ばあちゃんたちからも歓迎されていて、民族の食卓に入り込んでいるのが素晴らしいのです。興味のある食べ物の作り方を伝えると、素早くニーズに答えてくれました。

ということで、今回の私のテーマは「発酵」。
チーズに納豆、麹、パン、藍染、豆腐よう、漬物、と発酵食品(+藍染も発酵)を中心にじいちゃん、ばあちゃんのお宅を訪問。一緒に色々とお料理を作らせていただきました。

チーズ「乳扇(ルーシャン)」

扇のように伸ばして火にかける干しチーズです。モンゴルやブータン、ネパールと旅してきましたが、このタイプのチーズは初めてみました。

まず、ヤギや牛のミルクとホエーを混ぜ、火にかけます。

あっという間に固まります。お箸のような棒で引き伸ばしながらこねる。餅を練るのと同じで、これがポイントなのだとか。棒に巻きつけて数日間干し、残った液体は、次回に使うホエーとしてとっておくのだそう。


干し上がったチーズを炙り、薔薇の花びらのジャムを塗って食べる。扇の形をしているので「乳扇(ルーシャン)」と呼ぶそう。

パリッとして濃厚なチーズはいかが?


キムチのような漬物、腌菜 

韓国と同じく、こちらでも大量の唐辛子を使います。マーケットにはいろんな種類の唐辛子が並ぶとともに、いろんなタイプの漬物もずらり。キムチは中国語で泡菜、腌菜というのが、中国でいう伝統的な漬物なのだそう。泡菜は塩を使わず(水キムチ?)、腌菜は塩漬けなのだとか(間違ってたらすみません)。




白族パン「baba」を焼く

他にも、パン屋さんや、米粉で作るライスヌードル屋さんなどを訪問しました。

白族のパンは「粑粑baba」と言って、一晩、発酵させた生地を多重レイヤー状に伸ばし、黒砂糖と薔薇ジャムやアンコを入れる甘いバージョン、野菜と塩を入れる塩からバージョンと、2種類のパンを焼きます。




豆腐よう

豆腐ようのルーツを遡るといろんなタイプがあって、仕込む豆腐を事前に発酵させるかどうかというのもポイントなのですが、大きく分けて、酒につけるか、油につけるか、という2種類に分けられると思います。

台湾や沖縄の豆腐ようは、麹と酒に漬けるものが一般的。雲南でも2種類あるそうですが、酒の味が強い豆腐ようが苦手な人は、油がオススメなのだとか。

台湾でも豆腐の他に、パイナップルや唐辛子など、いろんなものを混ぜていましたが、雲南でも、家庭によって違い、生姜を入れるバージョンで作りました。

見た目が日本の豆腐ようと全然違います。
毛かび豆腐よう(油漬け)

 草麹

こちらでは、麹は餅状になっていて、「曲」という。ブータンで見た麹も確かこんな感じでした。白酒という蒸留酒を仕込むそう。そして、初め間違って買ったのですが、「碱」はベーキングソーダ。パンを焼くときに使います。見た目が似ています。



白族のおばあちゃんのお惣菜屋さん。山で採れた薬草を使った保存食がずらりと並ぶ。迷っていたら色々と味見させてもらいました。



最後に

毎年こんな旅をしていますが、仕事ではなく、完全に趣味なので、通訳や車代などなかなかお金がかかります。割り勘できたらありがたいので、同行者絶賛募集中。次は多分、韓国か台湾へ。民族の食卓を学ぶ旅は続く。