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2021年8月11日

東西発酵文化の融合「マッサ・デ・ピメンタオン」と「かんずり」

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 コロナ前は、民族の食卓を訪ねる"ならいごとの旅"をテーマに、雲南や福建、台湾へ手仕事を習う旅の同行者を募ってきました。

コロナ後は旅ができなくなってしまったので、100年の古民家(180坪の庭つき)に閉じこもり、世界の発酵文化の食卓へのアレンジを楽しみつつ、そんな暮らしをシェアする体験型の民泊を営んでいます。

パプリカの発酵食品"マッサ・デ・ピメンタオン"

ニュースレター"Asian Foodlore Magazine"の7月号でも書いたのですが、パプリカは、唐辛子がハンガリーで改良されたものと言われていて、パプリカのソースやスープのバリエーションが豊富なんですよね。

マッサ・デ・ピメンタオンは、ポルトガルの調味料で、パプリカを塩漬けにした後、すりつぶしてニンニクやスパイスなどと漬け込んだもの。このスパイスも海外のレシピサイトみてるといろんなバリエーションがあって、面白いんだけど、とりあえず、シンプルに塩のみで。

①まずは塩漬け

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②水切りして天日干し

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③ブレンダーですり潰す。冷蔵庫で保管してできあがり。

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ちなみに、この順番も、天日干ししてからすりつぶすパターンと、先にすりつぶしてから布で濾すパターンがあります。家庭によってもいろいろですね。

マッサとかんずり

作ってる途中で、これに麹加えたら、〈かんずり〉になるんじゃない?と思い始めました。麹を足すと、もはや、全く違う調味料に。〈マッサでかんずり〉と命銘。

かんずりについての記事はこちら→
新潟発酵食ツアー(1)上越の台所の必需品「かんずり」を訪ねて」

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四川料理の野山椒汁とマッサ汁

野山椒とは、中国語で、朝天椒(Capsicum frutescens var)と呼ばれる提灯の形をした唐辛子。それを漬け込んだものを「泡野山椒(泡椒 パオジャオ)」と言います。

泡○○(パオ〜)、というと、漬物のことで、韓国のキムチに似てるんですが、「キムチ論争」というのがあって、中国の泡菜が韓国に伝わった説と、韓国独自の文化だとする説があるんですよね(韓国と中国もたいがい仲悪いです)。

マッサを作るときにでる滴り落ちる液体の方は、通常捨てるんですが、中華の四川で使われる〈野山椒汁〉という調味料にそっくり。酸辣湯用や白身魚のスープに使われたりします。これ、すごいうまい隠し味なんです。

パプリカなので、色がすごいですが・・・。酸辣湯用にとっときます。ほんと捨てるところがないですね!民族の知恵はおもしろいです。

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2018年10月6日

英語で学ぶ発酵づくしの3日間 "The Art of Fermentation School"

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3日間の発酵ワークショップ

海外のヴィーガン料理教室とのタイアップ企画で、3日間にわたり基礎調味料の作り方や和食文化の基礎を学ぶ「発酵合宿」を開催しました。
「種麹と豆麹が買いたくて日本に来た」「豆麹はどうやって作るのか」「ネパールの納豆は糸を引かないが、日本の納豆菌は何が違うのか」「麹蓋はどこで買えるのか?」「pHをどう調節すればよい?」
マレーシア、ネパール、シンガポールの発酵マニアが集い、鋭い質問が飛び交う。メンバーたちは、3日間寝食をともにすればすぐに仲良しに。寝ても覚めても「菌(理想の恋人は「こうじさん!」)の話で盛り上がる。
米麹の作り方に始まり、醤油や納豆、甘酒、豆乳ヨーグルトを仕込み、数々の発酵食品をテイスティング。

地元の酒蔵・醤油蔵でマニアックなお話を伺い、奈良漬やさんでは、味噌づくりを教えていただきました。
どうしても譲ってほしい!と、味噌蔵にあった麹蓋をひとり2枚づつお買い上げ。サインする社長。
宇陀は、薬草文化発祥の地でもあり、発酵以外にも、植物の観点からも、藍染や薬酒など、宇陀ならではの文化もお話できてよかったです。
大願寺の薬草料理
Mr. プラントハンターの案内で薬草狩りのフィールドワーク
コンパクトな町でこれほど濃厚な講座ができるのも伝統的な生産者が多い宇陀ならではだと思います。
この日のために準備した英語のテキストは20Pほどに。これだけの内容を英語で学べる場所は日本ではあまりないはず。
英語、中国語、マレー語が飛び交う中、中国語の方が通じやすい専門用語もあったりして、2 ヶ国語で解説ができたのは華僑系の人たちにとってはよかったみたいです。
初めての試みでいろいろと不備もありましたが、さらなるブラッシュアップをしていければなあと思います。奈良から世界へ〜⭐️

プログラム

DAY1
ランチ:大願寺薬草料理
レクチャー:和食の基礎知識と発酵
Lesson 1:麹&塩麹
Lesson 2:豆乳ヨーグルト
Lesson 3:甘酒
DAY 2 
Field work:生産者訪問(醤油&酒)
Lesson 4:プラント・ハンティング&薬酒づくり
Lesson 5:味噌づくり&テイステティング
Lesson 6:納豆
DAY 3
Lesson 7:醤油づくり
Lesson 8:豆腐

ご協力いただいた皆様

ありがとうございました!
会場: ゲストハウス「奈の音」 
講師&テキストデザイン: Yukiko Sunamoto 
味噌づくり講師: 奈良一奈良漬 いせ弥 
薬酒づくり講師:  Mr. プラントハンター 
企画協力&写真撮影:Hiroko Fujita
お料理: Natural&organic「polepoleなぎの森。」
材料提供:宮本農園みやもと糀店 / ハッピー太郎 / qotoriya /豊かなる民 / 山本 直樹 (Naoki Yamamoto)

2017年11月17日

大宇陀の発酵を訪ねて:小規模ロットの天然発酵がいけてる蔵たち

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大和のつくり手を訪ねる旅

酒、醤油、葛。宇陀の生産者を訪ね発酵と食品加工について学ぶ。

宇陀市松山地区は、重要伝統建築保存地区に指定される古くの町並みがのこる地区ですが、歴史が深いだけではなく、食や発酵、手しごとといった生活産業、なりわいをみていくと、とっても面白いのです。

江戸時代から続く老舗の小規模の生産者が多くて、昔ながらの加工方法がいまに受け継がれているのが特徴。商売気がなく、ただただ伝統的なやり方を続けておられる。伝統の中にも、あたらしい酵母を取り入れたり、地元のお米との組み合わせで多品目のチャレンジをされているのは小規模の蔵ならでは。遊び心もあったりで、お話を聞くのがとても楽しいのです。

ボランティアガイドさん主催のツアーだったのですが、参加者の約半数が発酵仲間たちでしたので、対象以前の麹のつくり方、天然酵母と協会酵母の違い、ディープな質問が飛び交いました。

黒川醤油

昔ながらの木の樽で2 年かけ、低温発酵で仕込む醤油。急がない。自然のリズムに合わせた発酵にこだわる。
2年かけて低温発酵される木樽
まずは大豆を蒸して、炒って砕いた小麦を混ぜます。
大豆を蒸す機械

3日かけて室で麹をつくります。
さらに食塩水をくわえて醪を仕込む。

タンクには、それぞれの蔵に独特の麹菌、酵母菌、乳酸菌、多様な菌たちが棲んでいる。
蔵によってすんでいる菌のバランスが違うので同じものができないのですね。
醤油の食べ比べ

芳村酒造

ヤマユリから分離したやまのかみ酵母、正暦寺の奈良うるわし酵母など、協会酵母以外も個性的な酵母を使う。

「遊びでいろいろつくってる」と社長。

米を持ち込み、500キロからオリジナル酒を委託でつくることもできるとか。


奈良うるはし酵母の酒
三輪明神は杉玉発祥らしい

奈良漬けいせ弥

慶応創業の老舗。味噌と奈良漬けの店舗を新装オープン。作ってる麹も見せていただきました。

生麹と酒粕も販売されています。奈良漬けのもとは780円。麹は500g 650円〜。



宇陀市松山地区についてはこちら


宇陀市松山地区観光案内ホームページ
http://aknv.city.uda.nara.jp/matuyama/index.htm

地図

2017年1月12日

"食べる"を考える3泊4日福知山市大江山リトリート

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暮らすことは食べること。

「昔のくらしはえらかった。なにがえらいかって、生きるのに忙しかった。」
村のばあちゃんはいつも言ってた。暮らすことに忙しかったって。

電話も通じない山奥にこもり、たべるを考える福知山市天座での3泊4日のリトリート。
麹づくりにはじまり味噌、みりん、甘酒、果実酒づくり、そして、藍建てについて学ぶ発酵学。
灰汁からつくるこんにゃく、餅米の在来種でつくるもちをつくる食品加工学。

新鮮な地元のお野菜やうどん、北海道の本場ししゃも、竹筒でつくる燗酒、差し入れももりだくさんで、いろりの鍋会に招待していただいたり、とれたいのししの解体を見学しにいったり・・・

4日間お世話になった地元の龍一さんからは農業や食、マクロビのことを学び、期間中、入れ替わり立ち代わりやってきた参加者のみなさんや、ご近所のみなさんからもたくさんのことを学びました。

一日中食について考える貴重な時間でした。


※このプログラムは、天座とタイの二拠点でオーガニックな暮らしを営むWhole Living Base MeOtoさんの活動がきっかけで集まった仲間たちでつくってきたものです。
参考前回記事:農ある暮らしを訪ねる旅(11)京の隠れ里で天然素材の服作り

プログラム

1日目 夜 (発酵)麹用のお米浸水
      (発酵)甘酒仕込み
2日目 朝 (発酵)水切り、蒸し
    昼 (食品加工)灰汁づくり、こんにゃくづくり
      (発酵)藍建てのお話会
      夜 (イベント)いろりの鍋会
      (発酵)芋麹仕込み
3日目 朝 (発酵)麹切り返し
      (食品加工)緑米在来の餅米蒸し
    昼       もちつき、柚子味噌、甘酒味噌、芋麹の餡づくり
      (イベント)バーズデーケーキをこっそり仕込む、いのししの解体見学
    夜 (イベント)バースデー、カレー会
      (食品加工)在来豆みずくぐりの浸水
4日目 朝 (食品加工)みずくぐり蒸し
      (発酵)出麹、麹完成!
    昼 (食品加工)味噌用の焼塩づくり、できたての麹でみそづくり


このプログラムは、参加者たちが提供できる知恵ややってみたいこと、地元で出会う人など、そのときあつまったメンバーによって内容がかわっていきます。みんなでできることを持ち寄り、ナレッジシェアをしながらつくってくリトリートなのです。
カレンダーの完成版の写真を取り忘れたけど、新たな予定がどんどん書き込まれていきます。

発酵学

麹づくりや味噌作りも初めての方が多かったので、まずは、発酵とは何か、日本の基本調味料がいかに発酵と関わりがあるか、身近な菌のおはなしから麹づくりの手順へ。



蒸しは、年のはじめに使おうと、中川平七商店で買っておいた奈良晒をさっそくデビュー。ピンク色が映え、これだけでうれしくなります。


麹の種付け

2日目。だいぶちかついてきました(菌糸が伸びて来た)

前回記事:【開催報告】麹づくりワークショップ@大阪

食品加工学

ちょうど、聞き書きで、おばあちゃんに灰汁の使い方について聞き取りをしていました。
前回記事:田舎の手仕事をたずねる旅【植物と灰汁の知恵】

今回は、木灰と藁灰をつかって、天然の凝固剤をつくり、炭酸水素ナトリウムを使わずにこんにゃくを固める実験。

灰汁をつくっているところ
木灰のこんにゃくが一番よくできました。
強い灰汁と弱い灰汁の見分け方、分量の加減など、おばあちゃんのお話がすとんと心に落ち納得できました。

農学生だった私は、食品がどういう反応をしているのか、科学的に理解しようとしてしまうのですが、アルカリ度を表すpHなんて言葉をつかわなくても、草木灰とコンニャクイモの関わりや、植物と人との営みの形は、手でこね、触れながら感じることができます。
それが古くから時の中で人が理解して来た形だったということを村のじーちゃん、ばーちゃんから教わりました。


広葉樹の木灰で作ったこんにゃく
なぜか、木灰と藁灰の方はうまく行ったのに、炭酸ソーダで作ったこんにゃくは愛がなかったためか、固まらず、崩壊してしまいました・・・。

左:木灰 右:藁灰


餅つき、柚子や芋麹餡、緑米などいろとりどりの餅ができました

味噌作り

3日間かけて作った麹。


マクロビ的には塩を焼き締めて陽性の味噌に。
塩は焼きしめる
みずくぐりを蒸すところ。浸水するとかなり扁平になりました。



味噌玉をつくり、最後に全員分桶に詰めます。
次回の合宿では、またみんなであつまり、味噌開き&味噌料理の会を計画中です。

カビが生えないよう、酒粕でふたをします。


休憩タイム

合間にとれたいのししの解体を見に行ったり、お洋服に刺繍したり。
お洋服に刺繍もたのしい!
近所の罠にいのしし捕獲!

みんなで味わうご飯の時間

七草がゆ、いろり鍋、3食のご飯の合間に、麹を仕込み、柚子味噌、灰汁をつくるところからこんにゃくをつくり、緑米で餅つき、そして3日かけて出来上がった麹で味噌とみりんもつくる。文字通り夜なべしながら、発酵食や保存食を仕込みつつ、次の食事のことを考えていました。
ご飯の時間

幻といわれる北海道の本場ししゃも、そして竹筒でいろりにかけた燗酒も最高!

くわいの素揚げ。初めて食べました。
お誕生日会も


農村へならいごとに行こう!


つねに何かをつくり、何かを食べていた4日間。暮らすことに集中し、日々の食べ物をいちからつくってみると、生きることがいかに忙しいかに気づきます。

現代人は、労働力という形で自分の時間を売って、その分、食材だとか自分で作らなくてすむように、他の誰かにやってもらい、その時間を買っています。

もはや、わたしたちは江戸時代の生活に戻れるわけではありません。でも、こんな風にたべるための労働をだれかと共有する時間が少しでも作れるとただただ幸せだなあと思います。

このときを一緒にすごせた仲間たち、幹事のレミちゃん、お世話になった龍一さんはじめ、いろんなことを教えていただいた地元のみなさんに感謝です!


これからも、いろんな村で、聞き書きだけでなく、生きることと食べることを考える、暮らしの実践をしていきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いします!

農村に通いながら生きる知恵と技を学ぶならいごとのページ「ならいごと手帖」はこちら

聞き書き部の活動についてはこちら=>「聞き書き部』