2012年2月28日

「ブータンの有機農業とGNH」について講演しました@宮津

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24日の有機農業の勉強会は約60人の参加者があり、大盛況でした。
今回の会では、地域のいろんなところで活躍されている方々とお会いする機会がありました。

何より、農業生産者に従事されている方が参加者のうち約半数というのがおどろきでした。
有機農業へ感心のある方たちばかりで話もはずみました。


ブータンの伝統衣装、キラを着てお話させてもらいました。
帰国後初めて日本で着る機会がありうれしいです。

毎日新聞の塩田さんが記事にしてくれました。


私はまだ日本に帰ってきたばかりで、日本の有機農業を語れる立場にはないので、ブータンの暮らしと農業について発表させていただきました。
ブータンの文化や宗教、教育などなど、いろんな質問が次々にあがり、興味をもってもらえたようでよかったです。

これから少しづつ、環境と暮らしが両立できるような道を考えていきたいと思っています。


★兵庫有機農業研究会 橋本慎司さんのお話★
有機の里、市島では、70年代に消費者と生産者のメンバー約30名が集まって、消費者が顔の見える農家から直接農産物を買う「産消提携運動」を始め、もう30年続いている。年2回の会議では、作る野菜の量、面積、価格等を話しあい、合意の上で作る。

日本の直売所は生産者の顔が見えない。欧米のファーマーズマーケットは生産者が直接売る。そして消費者とつながり、コミュニティで生産者を支えるようになった。これを、CSA(Community Supported Agriculture)といい、全国にひろがっている。
有機農業の生産者を応援することが、環境を守ることにつながる。一人の行動では微々たるものでも、10人、100人になれば、全然違う。一人ひとりが意識を持つことが大事。

とても身につまされるいいお話でした。

特に、「効率が行きすぎると非効率になってしまう。」という言葉が印象に残りました。

効率や貨幣経済を追い求めれば、逆に環境や社会へのマイナス影響が大きくなり、行き詰まってしまう。

でも、非効率なものをきれい事の理想論で並べるつもりありません。
日本がブータンのような江戸時代の生活には戻れないこともわかっています。

「どちらをとるかではなく、環境も経済も両立できる道があるはずだ」
と、橋本さんは言います。


エネルギーの流れに逆らわず、自然の仕組みにならい、力をかけずに本来自然がもっている力を引き出すことを Appropriate Technology といいます。ブータンでも、ATに取り組もうというプロジェクトがありました。

日本語にすると、省エネでもなく、環境技術ともちょっと違う気がする。エネルギー効率だけでなく、例えば肥料のかわりに豆の混植を行うことも Appropriate Technology 。農文協でいうところの「小力技術」が近いかもしれません。

自然の仕組みに倣い、負荷をかけない形で増産にもっていく力をつけるためには、自然を師匠にする必要があるのだと思います。

昔の人は、全国一律のJAのカレンダーを使うのではなく、自然をサインにしていました。
その地、その地で種まき時など本来違うはず。
機械化が当たり前になれば、そのような感覚をわすれてしまうのですね。

マニュアル化による効率化で物事を考えなくなれば、早いし安いかもしれません。
でも、突発的なことに対応できなければ、それは怠惰であり、手抜きなのです。

効率化であって、手抜きであってはならないんですね。




今回、会場に集まっていたのは、半分が生産者、あとは消費者。

アナウンスタイムは、みな積極的に自分たちの思いや活動内容をプレゼンしていました。
作曲をしている音楽家、フリーペーパーを作っている若者たち。
カフェを営まれている方、イベントのPRにこられた方、老舗のお茶やさん。

こういう環境系のイベントに集まるみなさんは、さすが積極的です。

せっかく集まったのは縁なので、次も勉強会などできるよう連絡先をお互い交換しました。
これがきっかけで橋本さんの市島でされているような産消提携運動が丹後でも広がるといいな。

理想論よりは実践へ、一歩一歩。

そんなことを考えた一日でした。

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