2014年2月15日
雑穀がつなぐ物語~世屋のおばあとたねトークしてきました~
雑穀みゅーじあむ公式サイト:http://millet-museum.tumblr.com/ |
世屋のおばあちゃんにはいろんなことを教えてもらいました。
戦後、貧しかったころの暮らし。
お米は配給制で、塩や砂糖が手に入らなかった時代のこと。
リアカーを引いて、天橋立のある湾まで行き、海水を汲んだ。
おかゆをつくるためだという・・・
お米は貴重だったから、アワを混ぜて炊いた。
お米と同じく、粟には、モチ種とウルチ種がある。
米食が当たり前になって、使い道のなくなったウルチは姿を消した。
現存しているのは、ほとんどがモチ種だ。「アワ餅」を作る食文化として残っていたのだ。
ウルチ種は「タダアワ」とか、「メシアワ」と呼ばれ、ご飯に混ぜてカサ増しするのに使う。
地方によっては、大根をまぜたり(だいこめし)、りょうぶという植物をまぜたり、イモや麦、ヒエを混ぜた。これを糧飯といい、おばあちゃんたちは、「あれをカテテ食べたんやで」という風に「カテる」という動詞としても使うんですね。
「まぁ、いろんな雑穀があること。粟は粟だと思ってたけど、こんなに違いがあるなんて」
前回、種仲間たちと訪ねた時おばあたちに、全国の雑穀をみてもらうと、それが、すごい印象深かったみたいです。
今回の訪問でも、あの時の雑穀を覚えていてくれました。
前回記事:村のじぃちゃん、ばぁちゃんたちと種会議(2)世屋高原「はなうた」さんの雑穀をたずねて
おばあに種の話を聞いていると、いろんなところから出てくる、出てくる。
今はもう作っていないという、昔の種が。
この缶、「赤いアワの種24産、バラ22年、古くても生える」
とかかれています。
もう大興奮です!!
あけてみると・・・
いろいろな種が混ざっていました!
アワだけでなく、キビ、タカキビもでてきます。
アワも、黄金色、オレンジと使い分けています。
採っている種は、アワとキビ以外になんかあるんですか?
聞いても、「いんや、これだけだよ」
とかえってくるのですが、
豆とか、ごまとか、こんにゃくは?そばは?
と具体的に聞いていくと、保存してるんですよ!!
これって、この地域なら、こういう気候だから、
この農家さんとこの土地はこういう土質だから、
この村の文化では、儀式にこれを使うから・・・
といった、背景知識を熟知してないとピンポイントで質問はできないのです。
だから、その背景知識を知るためには、時間はかかるけど、まず、村に通い、畑を借り、場合によっては半移住生活から入る必要がある。これを研究手法でいうと、「参与観察」というのですが・・・
まあ、そんなことはどうでもいいですね・・・
これは、ブータンの農村調査でも実感したこと。
研究調査だと思って、項目にしたがってアンケートを取っていては絶対だめ。
本当のところはわからず、調査はただのペーパーの上のデータにしかならない
おばあが大切にしてること、
伝えたいこと、
時間がかかっても、質問者が誘導しちゃだめなんです。
「タネを保存してるのは何のたねですか?」
聞いて帰ってきた答えだけがすべてじゃない。
だから、私は、一定期間にペーパーという成果を出さないといけない研究者には向かないなー
むしろ実践者でいよう、と考えたのです。
そんなことを思っていたら・・・
うわ~、これ、私が丹後で栽培するのは無理だと思ってた花豆!!
短日性の強い花豆は、丹後の気候では、花が咲くのが遅く、そのころにはすでに「ウラニシ(じとじと雨がつづく季節)」に入る。
「赤い花のつるまめ」って書かれてます。
めっちゃかわいい!!
インゲンをちょっと大きくしたような大きさ。
ふつうに売ってる花豆より小さい。
ずっと自家採種しているうちに、世屋の土地に根差し、こんな形になったのかもしれません。
ああ、手種(テダネ)って響き、えぇなぁ~
このへんのばあちゃんが、代々自家採種で受け継いでいるたねのことを呼ぶんです。てだねって。
種を守ってきたおばあちゃんの手がすきです。
頼んで撮らせてもらいました。
雑穀みゅーじあむで、おばあちゃんたちの雑穀やたねを紹介していきます。
facebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/1460515377510319/
公式サイト:http://millet-museum.tumblr.com/
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遠方からご参加の方へ。アクセスについてお問い合わせいただきましたので、お知らせいたします。
天橋立ユースホステル(真名井神社隣)に前泊の方は、雑穀ミュージアム会場まで送迎あり。http://www.hashidate-yh.jp/
アクセス:JR京都駅より直通列車「天橋立」行き、もしくは、丹後海陸交通の高速バスで「天橋立」下車。橋立駅より、200円バスにて「宇川温泉」行、「府中」下車。(または、宮津から定期船で「一の宮桟橋」へ渡れます。)
丹後海陸交通バス http://www.tankai.jp/rosen.html
世屋まで午前中に到着できる公共交通はありません。どうしてもアクセスがない方は、乗り合わせの調整をいたしますのでご連絡ください。
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