2016年2月10日

発酵する食卓【味噌ラボ編】多様な豆と麹、アジアの発酵食づくり

0 件のコメント :
雨の日はてしごと。
なんだかんだ、忙しい。

今年は国連の国際豆年なのだそうです。だからというわけではないけどいろいろ実験中。
マメにはいろんな種類があって、それぞれ起源や栄養分、用途が違う。

豆はタンパク質系(大豆)、炭水化物系(インゲン、小豆)、脂質系(落花生)に大別されますが、基本、どれでも味噌や納豆、テンペはつくれます。
以前、いろんな豆でテンペを作ったことがありますが、小豆テンペはなかなか美味しかったです。


今年は、レンズ豆、赤空豆、えんどう、黄大豆、青大豆、ヒヨコマメ、5種類の豆、そして、 玄米麹、麦麹、黒米麹、麹も3種類。
いろいろな組み合わせで味噌を仕込んでいます。




農家さんは美味しい豆を自家用につくる

写真の上が青豆。下が普通の黄色い豆。
味噌をつくるときは、普通は、黄色い大豆を使う。
消費者は、できるだけ白い味噌がよくて、変な色がついた味噌は嫌がるからです。



でも、手前味噌を仕込んでいる農家さんが必ず言うのは、
青大豆の味噌がうまい!ということ。
味噌豆とも呼んでいて、味噌をつくるために育てられている豆がある。

そして、台湾で醤油をつくるときは、必ず黒大豆を使う。
黒大豆といっても、日本のような大きな黒豆ではなくて、黒千石のように原種にちかい小さい豆だった。

山古志村では豆腐用に「湯上がり娘」という品種の大豆が育てられていました。
前回記事:新潟の古い市と「テダネ」探しの旅(2)地豆にみる植物民俗学


基本的に、お米でもそうですが、黒米のような色のついた古代米の方が保存性が高い。
アントシアニンなどの成分が抗酸化作用をもっているようです。

ところが、日本人の美的感覚は白いものが好き。
米も味噌も白い方がいい。

でも、農家さんは知ってる。
そして、自家用にだけ、おいしい豆を育てているのでした。

おいしい豆は自分で育てるのが一番ですが、
なければ、直売所にはけっこう色つきの豆がおいてあります。



麹の多様性


麹にも、豆、雑穀、麦、米、いろんな麹があって、アジアのどぶろくは、雑穀やトウモロコシだったりする。
基本的に、ハトムギでも、たかきびでも、粟でも、麹はできるようです。
麦でもやってみましたが、米麹ほど、モフモフにならないので、菌糸が入っているかわかりにくかったりします。粟だとさらにわからないかも?

マッコリなどに使われる餅麹

黒米麹で甘酒を作るときれいなピンク色になります。
黒米麹
玄麦麹

この前、展示会に参加させてもらった加計呂麻島の蘇鉄みそ展では、灰汁抜きした蘇鉄の実を麹につかっていました。
蘇鉄味噌だけでなく、蘇鉄を使った料理をいろいろ紹介いただきました。
灰汁の強い野生の植物を利用する先人の知恵はとても興味深く、ぜひ訪れてみたい島です。

蘇鉄みそ
加計呂麻島の蘇鉄みそ復活プロジェクトについてはこちらへ。
http://www.kakeroma-welcome.com/


べにや長谷川商店さんに学ぶ豆と麹の組み合わせ

先日、べにや長谷川商店さんの「変わり味噌教室」に参加して来ました。
味噌にするには、栄養分や相性、それぞれの豆に合う麹があり、組み合わせがあるということを教えていただきました。

エンドウ豆には玄米麹。
同じ色のもの同士は相性がいい。
赤空豆には黒米麹。チョコレートのような黒い味噌ができあがる。

紅空豆と黒米麹のみそ

たかきびをブレンドしたもの



教室では、豌豆を炊いてみました。
うぐいす餡のような甘い香りがしてきます。



炊いただけですでに美味しい!
味噌になると味がどんな風に変わっていくのでしょうか。
途中経過も楽しみながら少しづつ味わいたい味噌です。



豆の展示もかわいいです。




甘めがよいか、色合いはどうか、どういう風味にしたいのか。
栄養バランス、熟成度は?
多様な豆、穀物、麹の組み合わせで、無限に味が作り出せる。
在来種のブレンドが面白い。

そして、容器によっても風味がかわるといいます。
木桶は木桶の風味が。陶器にするか、ホーローにするか。

こういう観点で味噌作りをしたことがなかったのでとても勉強になりました。
いつか、いろんな味噌を持ち寄って食べ比べする手前味噌の会をしてみたい。


0 件のコメント :

コメントを投稿