2017年10月5日

薬草が学べる公園:花背の森の薬草学

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京都薬草の森公園の薬草講座

「ここに6種類の薬草があります。足下にも3種類。わかりますか?」
ヒキオコシやサンシュユ、葉や実を食べて味を覚える。


今日は、京都府薬務課の「薬膳インストラクター(上級)」の薬草学実習でした。3年間を通じて、中医学・薬草学・薬膳実習と体系的に東洋医学を修める予防医学の市民リーダー養成講座。
3年めになると、どの時期にどの薬草のどの部位を使うのか、薬効がどう変わるのか、などなど、薬草学の授業も少しレベルアップ。

花背にある京都薬草の森公園では、薬草栽培の基礎研究が行われており、喜界島やミャンマーなど、各地から集められた薬草が栽培されています。品種や土壌、気候が与える薬効への影響を調べる実験を行っているそうです。

◎ヤマイモ(学名:Dioscorea japonica)

漢字では、「山薬」と書きます。その名のとおり、薬としての品種比較試験が行われているのですが、ヤマイモに含まれるジオスゲインは、認知症予防に効能がある成分なのだとか。
農園には、世界各地から集められたヤマイモが栽培されています。
ヤマイモの品種比較試験

◎キササゲ(学名:Catalpa ovata, 英語:Chinese catalpa)

ササゲに似た実をつけるので、キササゲと呼ばれるけど、マメ科ではなく、ノウゼンカズラ科。
実は乾燥させて煎じると梓実(しじつ)とよばれ、民間薬として使われる。
夏に根を煎じて飲む。利尿作用に。
部位によって、収穫時期も違うし、効能も違うようです。
漢方薬には、効能もあれば毒の成分もありますが、民間薬は単体で使うので、副作用がないものがほとんどなのだそう。



◎ヌルデ(学名:Brucea javanica 英語:Macassar kernels)

ウルシ科の植物で、葉っぱが軸に翼がついていて特徴的なので、すぐに見分けられます。
秋は紅葉がきれいですが、ウルシ科なのでさわってはいけません。
そして、「ヌルデノオオミミフシアブラムシ」が寄生すると虫コブができ、生薬に。5倍の大きさになることか「五倍子」と呼ばれています。

虫こぶが生薬?と思われるかもですが、マタタビの実「木天蓼」もよく知られる生薬で、熱湯で虫を下してから乾燥させ、果実酒として漬けられています。

五倍子には、タンニンが豊富にふくまれ、お歯黒や染料として伝統的に使われていたようです。
これも民間薬草の知識ですね。


◎クロバナヒキオコシ(学名:Isodon trichocarpus)

「なぜ、ヒキオコシというかわかりますか?その答えは、食べて覚えるのが一番」
と、いわれ、たべてみると、苦い!良薬口に苦しというが・・・

寝たきり病人も飛び起きるほどだといいます。それを聞くと、食べてみたくなりますよね?!
でも、このヒキオコシ、シソ科らしい。
民間薬としては健胃薬に使われています。


◎チョロギ(学名:Stachys affinis)

こちらもシソ科。お正月の御節料理として食べる家庭も多いのではないでしょうか。
最近は、認知症予防効果があると言われ、花背でもいろいろと実験されていました。

農大出身者としては、気になるのが随伴雑草(擬態雑草ともいう)。単一作物の畑には、似たような雑草が蔓延るのです。田んぼには、やはり稲に似た、イヌビエが、粟の畑にはねこじゃらしが。ライ麦畑にはエンバクが。ちょろぎ畑にははこべが(はこべはシソかではないです)。


◎ウツギ(学名:Deutzia crenata 英語:Scabrous Deutzia

枝の中が空洞だから「空木」とよばれるらしい。
生薬名は溲疏。葉は花が咲く初夏に、実は秋に採集。

ほかにもいろんな植物の解説が。
栗の原種らしい。

アケボノソウ。センブリと同じ属だけど、こちらは薬効はとくになしとか。
金時生薑

 センダン

ランチタイムには、ヒユナのおひたしなども。



今後は、約120名の仲間たちを中心に、学んだことを活かし、各地で勉強会が開かれる予定。私もさっそく再来週、薬草のまち宇陀で、薬草狩りと薬酒講座を開く予定です。

薬膳インストラクターについてのお問い合わせはこちらへ。
京都府医薬品登録販売者協会
http://www.kyoyakkyo.or.jp/event/

【10/21作り手に出会う旅】藍服と山の薬酒づくりイベントページはこちら。
※満席になっておりますが、また定期的に薬草の勉強会やります。
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