2015年10月25日

農ある暮らしを訪ねる旅(10)丹波のたねとり人をたずねて

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Doi Natural farm & Indigenous Seed Library @Tamba, Hyogo.
丹波で在来種の保存に取り組む土井自然農園を訪ねてきました。



「たねは万人のもの」
というコンセプトのもと、たねからつくる暮らしを広めたいと、まるで「畑のミュージアム」のようなカラフルに染まる畑を案内してもらいました。

一足進むごとに異なる品種の作物が植わっています。
まさに多様性を残すための畑。

豆だけで100種類以上、雑穀にいたっては数えきれないほど、ナス科、ウリ科も多数育てられています。
これらはすべて、長年、山村集落を歩き、人づてに集めて来たものだといいます。


「種がほしいと言ってくる人はたくさんいるけど、やっぱり、ここの畑に来て、ストーリーを聞いて、この種が欲しい!と思ってくれた人に譲りたいですね。」

と、土井さん。

昔は誰にでも譲っていたそうですが、ただでもらえるからと、封筒で届いただけの種は、返却されることもなく、そのまま音信不通になることが多い。
想いのある種だからこそ、しっかりと受け継いでくれるひとにつなげたいそうです。

時には、台風で畑が全滅してしまったり、種がとれなくなってしまうことがあります。
そんな時、だれかに譲っておくと、もしかしたらそこで命が繋がっているかもしれない。
種は昔から人づてに旅して来たもの。
つながりから受け継がれていくもの。
顔の見える範囲での種のつながりを大事にしていけたらと思います。

土井さんの活動は、増田昭子先生の著書「在来作物を受け継ぐ人々―種子は万人のもの」の中でも紹介されています。


それぞれのタネとの出会いやストーリーを聞きながら、つまみ食い。味比べしながら、自分たちで育てたいタネを選ぶのは楽しいものです。


幻の台湾アカザも。




ナス科の品種も多様


家に入ると、所狭しとタネとり用の作物がごろごろ転がっています。

そして、食や作物に関わる絶版本もずらりと並ぶ書棚は圧巻です。
この本の収納のために古民家を買われたようです。
 









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